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side ハミド
『あのー、もうよろしいでしょうか?』と、カリフが心底ウンザリしたように切りたがっているが、電話した目的を思い出した。
そう、肝心なのはシオンへの誤魔化し方だ。
するとカリフは呑気に、なんだそんな事かと言わんばかりに、シオンなら大丈夫だと言う。
『サバイバルゲームのフィールドと間違えて、紛れ込んだ子たち、とでも言っておけば良いのでは?あの年頃の子は、殿下と違い、いえ、失礼。本来は外で元気に遊び廻りたい年頃ですし。最近では密かなブームにもなっているようですので、シオンもおそらく。こちらの装備が実弾入りのものだと気がつく事は万が一にもないでしょう。半径5キロ程は、ザイール殿下の敷地内ですし。あちらこちらにクラブハウスや庭園の東屋など、家族で何組も利用出来るような、保養施設もあると仰有っておりました。』
ーーそんな適当な理由で誤魔化せるとは思ってもみなかったが試しに話すと
「おぁ、サバイバルゲーム!やった事ないけど、俺と同じ位のが、あんな軍隊っぽい凄いフル装備持って戦うのかぁ。いいなぁ、すっげぇ!あぁいうのを借りれるとこがあんなら、俺も今度行ってたいなぁー。重いの持って走るの大変だろうから、普段から鍛えたりすんのかな。わー、めちゃくちゃかっけーな。」
口調が変わっているぞ、シオン‥。
妙に興奮しているのが愛らしいので、指摘はしないが。
カリフのアドバイス通りの言葉をつなぐ。
「元々、隠れたスポットとしてマニアに人気だったが、ここの敷地にはよく、フィールドと間違えて入り込んでしまうらしい。」
「えっ!じゃあ、また誰か来るかもしんねーの?俺とおんなじくらいの奴とか来たら、話し掛けてみようかな。」
「シオン、随分、楽しそうだ。」
「そりゃな、ミニタリーは、男のロマンだ。」
おー、おー、目をキラキラ輝かせて。
ダメだ、これ以上は口元を手で、隠そう。
銃など絶対に持たせたりはしないが、オモチャを正しく使う分には構わんだろう。
この愛らしいシオンを見られるのなら、売り手がある付近の土地を買い上げ、全てフィールドにしても構わない。
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