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51 R(微エロ)
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「眠れないか?シオン‥。」
別荘の窓を塞ぐ板を一部屋だけ外して、煌々と月明かりが灯る2階の寝室があるバルコニーの椅子に坐り、俺は考えていた。
「ん、ちょっとだけ。ここ、月が綺麗だから、見てみたいなって」
「そうか‥」
丘で話した、ハミドの兄、アレフって人。
俺には、想像もつかないけれど、家族で殺し合いって想像もつかない。
あれからカリフさんにも電話して、ちょっとだけ聞いた話。
きっとハミドは話したくないだろうから‥
何度も何度も、人を雇ってハミドを狙っていたって。
ハミドを殺せなくて、死んだ人も何人も何人もいるって‥。
ハミドは、自分が原因で、アレフが家を追い出されたから、やり返したさない。
今でも、あの喧嘩をして、大きくなったことを後悔しているらしい。
カリフさんも、内容はハミドが言わなければ、言いたくないと断られた。
ハミドが時折見せる怖い顔が何となく、鈍い俺でも分かる。
今回はカリフさんのイタズラだけど、もしお兄さんのアレフだったら‥‥
突然、ハミドが目の前から消えてしまう日が来るんだろうか。
せっかくこんなに仲良くなったのに‥
違う‥。
きっと俺は道を聞かれたあの日から、ハミドにずっと惹かれてた。
「シオン、夜風に当たり過ぎないように‥」
ハミドがタオルケットを背中から掛けてくれた。
「泣いてるのか?」
言われて気がついた。
ハミドを想って、勝手に流れてた。
思い出す、公園でハミドに告げた、俺の気持ち。
「もし父に知れたとしたら‥」
「知れたとしたら?」
「俺は死にたくなりますっ!」
‥‥つっ、
‥俺、 本当にバカだ。
‥ハミドは、あれで、俺のあの言葉で、過去の癒えない傷がほじくり返されたんだ!
「風が冷たい。シオン、戻ろう?」
ハミドはタオルケットに俺を包み、そのまま抱えるように部屋に戻る。
「ごめっ‥ハミドに‥俺酷いこと言った。」
「謝るな。シオンは何も知らなかった。悪くない‥」
背中を撫でて慰めてくれる。
「俺、もう‥ハミドを言葉で傷つけたくないっ!」
泣きながら、謝る。
「傷ついたりしない。シオンは‥‥シオンの言葉で俺は傷ついたりしない。」
頰に落ちる涙を両の親指で拭き取ってくれた。
「シオン‥。」
ハミドの緑の瞳の中に、俺が映っていた。
あの日、ハミドを傷つけた自分に別れを言いたくて、目を瞑る。
ハミドの唇が、俺の唇に重なり、深く口づけをした。
そのまま、ベッドに押し倒されると、俺はハミドの首に両手を絡めた。
ハミドはキスをしながら、俺の身体を撫でていたが、俺が、絡めた手をギュッと抱くように絡めて胸を見せるように逸らすと、そのまま激しく舌を絡めて俺の乳首を親指で潰すように転がした。
「ふっ‥ハミド、‥もっと、し‥て‥」
キスしていた唇を離し、緑の目が情欲にまみれるのを確認できると、胸にとくんと暖かい気持ちが芽生えた。
ハミドはぺろりと上唇を舐めると、今度は俺の乳首を強めに甘噛みした。
「はぁっ、くっ」ジンジン疼くような痛みがする乳首に優しく舌を這わせ、ハミドは俺を味わうように抱いた。
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