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side ハミド
ちょっと、長く打たれ過ぎたか。
腰に巻いたタオルとは別のタオルで身体を拭きながら、匂いを嗅ぐ。
うーん、落ちただろうか。
ゲンショーの遠回しな、いい方。
相変わらず、繊細で純粋な‥。
彼に会うと、いつも心洗われるな。
そんなゲンショーに、指摘された獣臭さとやらを取るため、寺にある滝にもうどれほど打たれているだろう。
最近、そんなに盛っていたか?
シオンとしか、してはいないのに。
ハミィはわしとは違うんじゃ。行為はいいが、溺れぬようになと、昔言われた事がある。
自慢にもならないが、行為をする相手が居なかったわけではない。まだ、シオンに出会う前だから見逃して欲しい‥。
そうした後にも、今日程獣臭いと追い出された事はない。
滝で身を清め、そして父上と母上がいた部屋。
通常ならば、国賓級の部屋で、休めと言われているように聞こえるだろうが、ゲンショーはそう言っていない。
この寺は、ゲンショーが会いたいもの、会いたくないけれど付き合いがあるので会わなきゃいけないVIP、と食べる場所が別れている。
「懐石」
と、
「会席」
空腹で、石を懐に入れるだけでも話していて楽しい相手。
食事を出すだけの関係。「会ってやるからそれを食べてとっとと返れ」という相手。
後半は乱暴ないい方だが、今日の俺の気分は、この解釈に等しい。滝に打たれて身を清め、それでも治まらなければ、充てがわれた部屋で、自慰でもして帰れ。
ゲンショーは、そういう事を言いたいのだろう。
二ヶ月位は、来るなと言われた。
破門、までは行かないが。
それに近いだろう‥。
己をコントロールしてから来い、そういう話だった。
この寺を訪れる前は会いたくて会いたくて、そんな弾む気持ちでいたのに、今は、帰りたくなくて、滝に打たれている。
‥往生際が悪い事だ。そろそろ上がろう。
そうして、身体を拭いて充てがわれた部屋の鍵をあけ‥‥ん?
空いている?
妙だなと思い襖を開け‥!!!
だめだっ、すぐさま締める!!
えっ‥
なんだあれは‥
俺の色欲が見せた幻、か‥?
襖をそぉっと開け、シオンの寝顔を確認すると布団をスリスリして、幸せそうに寝ている。
それはいい、それはとても癒やしになるものだ。
‥っ。
だが、何だあの格好は。
鮮やかな藍色の浴衣を着て、白いうなじが覗いている。
ごくり。
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