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「あぁ、我々がまだかかると思い、ふらふら出掛けてるのでしょう。」
カリフさんが電話すると数分で戻ると連絡があったようだ。
戻ってきたハミドはいつの間に着てたのかジャケットを脱ぎ、カリフさんに渡すとカリフさんはスーツの持ち運びカバンみたいなのに閉まってトランクに置いたりしてた。
たまにこういう謎のおぼっちゃまくんぶりを発揮するよな、ハミドって。
香水なのかいい匂いをさせていた。
なんだろう、まるでひと仕事終えてきたみたい。
髪も軽くセットしてたのか鬱陶しそうに乱す姿も、カッコよくてキュンとなる。
ハミドはどこに行ってたの?って聞いてみたかったけど、どう話しかけようか躊躇っていたら、ふとバックミラーで視線が合う。そのまま見つめ合っていると、まさかのハミドから声が掛かった「シオン、気にいる服はいくつか見つかったか?」
「うん、相場より全然安かった。後ろのトランクに詰めて貰って、好きなだけ、買わせて貰ったから、もう向こう十年は洋服買わないですむよ!」
「そうか‥。」
ハミドは何かを思案しているようで、
「あとは‥そうだ、あれが、倍以上しても、買いたいって思うような服はあったか?」
「へっ?‥あぁ、そうだね。倍なら、まぁ買うか迷うのばかりだけど、あっ!気に入ったので三倍でもいいっ!くらい!ってのもあったよ。でもそこは在庫も殆ど置いてなくて、えー!この色違いで、青とか白もあったんですかーって残念なことが結構あった。そりゃあれだけ安かったら皆買うよね。デザインはいいからシールだけ貼ってきたお店も結構あったかな。」
「そうか‥」 そんなことを聞いてから、ハミドは俺の頭を、ポンポン撫でると、フッと笑い、そのまま後部座席に乗り込むと腕を組み、心ここにあらずって感じで考え事をしていたのだった。
ほら、俺との喧嘩なんてもう、全然‥覚えてもいない。
ハミドにとっては、どうでもいい事なんだ。
カリフさんも気を遣ってか、話しかけてくれるが、俺が話しかけて欲しい人は家に着くまで無言で何か考え事をしていた。
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