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72 R(微エロ)
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ドハと別れて、ハミドのうちにはじめてお呼ばれした。
住んでるわけじゃなくて、趣味とかそういうのに向き合いたい時に、使おうかと最近買ったと言っていた。
おぼっちゃまの発想って、俺も自分の部屋が欲しいレベルは、セキュリティがガッツリついた高層マンションの一番上のエレベーターから、専用のラウンジをくぐり抜けると玄関があり、そこから廊下を挟んで窓一面は全ての部屋に光が取り入れられるよう設計されたワンフロア全ての部屋が自分の趣味の部屋。を言うのだと、今日初めて知った。
部屋は、元々はどういう造りだったのか知らないが、ハミド風に作られていた。
例えば、わざと畳を敷き詰めて入り口を狭くする茶室がある部屋もあった。そういうのを聞きだすと長そうだし、やめておいたけど。
家事をしないハミドだから、こんなに綺麗なのはどうしてなのか聞くと、ここは定期的に掃除をする契約で、それこそクリーニングに出すワイシャツまで注文しなくても取りに来てくれるらしい。そういえば、さっき受付で品のいい男の人が、ハミドに荷物が届いてますって小包を渡してた。ハミドは断ってそのまま受け取ってたけど、いつも大きなものは台車を持ってきて運んでくれるらしい。
部屋に入る前も、階層自体にロビーがあって、コーヒーを出して貰った。
ここは24時間人がいて食事も出来るから、家事をやらないハミドには好都合なんだろう。
ちょっとまだ引っかかるけど、こういう生活もあるんだと思うと、ハミドの見ているものと違うのかも知れない。
マンションの人にも、エントランスのお姉さんにも、ハミドは声を掛けられたり何かしてもらう事に、偉そうだけど感謝の気持ちを伝えていた。
お持ちしましょうと言われると、仕事熱心な事はいいが、この荷物にそこまで気を使わなくていいとか、コーヒーを出してくれたお姉さんにも、前に来た時に生けられた花が違うとすぐに気がついて、そのお姉さんが毎日選んで持ってくることを知ると、シオンとの、癒やしの時間にこんな素敵なサプライズをしてくれて嬉しいとか。
ハミドに声を掛けてもらうと嬉しそうにして、ごゆっくりとさり気なくその場をあとにする気持ちの良いサービス。
所謂、お客様は神様ですってふんぞり返る客ではなく、お金を払うのはハミドかも知れないけど、その出されたコーヒーの価値以上に、その人がしてくれたサービスにハミド流の感謝のし方で返している対等な関係性を感じた。
いいやつなんだって、思った。
うん。
ここまでは、本当にすごいイイヤツって思った。
ベッドルームに入った時、突然後ろから身体をひん剥かれて、タオル地に巻かれた手錠を掛けられ、ケツにローター突っ込まれるまでは。
「やっ‥‥あぁ‥」
そう、ドハの身体をペタペタ触っていた事をベッドルームに入るこの時まで、ハミドは、ずっと怒りを抱えていた。
俺にずっとお仕置きすることを、今かいまかと心待ちにして、色々考えていたらしい。
「う、‥こ、れ‥取ってぇ‥」
あんなに爽やかに、笑顔振りまいてたじゃん!
向こうも楽しげに仕事してたじゃん!
それなのに、俺に復讐を考えていたなんてお前、黒すぎるよハミド!
「ふんっ‥うぅ‥」
受け取ってた受付の品、あれもドーナツ屋さんに入る前に注文してたやつらしい。
「俺は裏切りを許さない。シオン、今日は俺の怒り方を知ってもらう。」
と笑っていた。
怒鳴りちらすのが怒りだと思っていたけど、真っ黒なオーラに身を包み、凶悪に笑う緑の目の獣のほうがよほど怖いことを、今日は身を持って知る羽目になる。
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