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莉緒
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部屋の照明が落ちると、
足元のブルーライトが点灯した。
慣れた手つきで
会話用イヤホンマイクを装着する。
鏡の向こうには、
こちらからは見えないが、
人がいるはずだ。
部屋も鏡を挟んで、同じような作りになっており、完全個室である。
普通では声は聞き取れないが、
オプションで
店が用意したケータイを使えば、
会話できるのだ。
千春は鏡の方を見た。
ライトに照らされた
自分の顔が映っている。
(これが・・・今の俺、ね…)
目の前の容姿を満足げに見つめる。
昼の自分と、夜の自分。
歴然たる違い。
両社とも自分であって、自分でない。
矛盾かもしれないが、
この無個性が、俺なのだ、と実感する。
装着したイヤホンを
起動させた。
「…莉緒ちゃん……」
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