アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
79
-
戸塚はゲイだ。 見てくれは いい男の部類に入るだろう。日本人離れした顔立ちで なぜか 人を惹き付けるような雰囲気を持っている。
そして彼がゲイであることは わりと有名なことだ。しかしそれを凌駕する実績も有る。
この女がそれを知っているか どうかは判らない。ただ 先程から 戸塚には 異常な程ベタベタと接触している。
「個人の写真とかは 撮らないんですか?」
こういった話を振られることには慣れているのか ニヤニヤと笑いながら
「撮らないことは無いよ。でも心も裸にならないと良い写真は撮れないからさ。信頼って言うの?俺とベッドを共にしないと。そうして 俺が 魅力を感じたらね。撮りたいって意欲が湧いてくるんだよ。」
「わぁー 戸塚さんって えっちなんだ。えっちしたら撮ってくれるんですか?」
あほだ。
そこへ 千春が仕事を終えて 台車を押しながら戻ってきた。
「あー 山手さん はやーい。アタシ もう行かなくちゃ。戸塚さん。これ アタシのケー番。いつでも連絡してくださいね。これからも仲良くしてくださいね!」
「おー。決して忘れないよ。じゃあねー。バイバイ。」
「はーい 失礼します。先生も コレ。もう 知らない仲じゃ 無いもんねー。」
女は千春の後をグズグズと ついて行き 車に乗り込んだ。
戸塚は貰ったピンク色のメモを握り潰し 近くのゴミ箱へ投げ込んだ。
僕もそれに倣った。
「どうしようもない バカだな。千春ちゃんも 大変だ」
「まったくだ。でもな アレ お前のパンフを見て 入社してきたんだとさ。続くのか?仕事をしに来てるんじゃないのか?」
「でもしっかり見てる処は見てるぞ。真弓先生 指輪してないけど 独身?俺にも独身?って 速攻聞いてきたぞ。
だから 2人とも結婚はしていない って答えたら やった! って顔つきが変わったよ。誰でも 自分になびくと 思ってるのかね?おめでたい あほだ」
頷いて ため息が 出た。
「あんなバカなら千春ちゃんも相手にしないだろ?
だが 俺達から連絡なけりゃ 千春ちゃんを誘惑するかもな。」
えー? それは 有るかもしれない。
まさか 千春はその気には ならないと思うが あのバカ女なら 誰彼構わずって あり得るかもしれない。
心配だ!
「大丈夫だよ 真弓。毎日 ここには 配達に来るんだろう?俺 しばらく この病院に来るって あの女に言っておいた。」
いつのまに?
「お前の顔 面白いよ。真弓。お前もそんな百面相するんだな。初めて見たぞ。いつもクールで動じないっつうか いつも どこか冷めていたからな。
まぁ 確かにあの千春ちゃんは 魅力的だ。可愛いよ。顔だけじゃないな。性格も良い子だ。なんつーか 顔も 良いんだよ。下手な女より綺麗だ。整っているっちゃ いるんだけど。綺麗な顔立ちだよ。それしか言い方がねぇな。ちょっと 色味が薄いんだけど 不健康じゃない。肌が綺麗だからかな?写真写りが良いっつうか。そんなに光が無くても きれいな写真に仕上がるだろうな。
もしかして 日本人以外の血が入ってないか?
透明感のある肌をしてるんだ。それでいて 肌理 そう きめ細かい肌なんだ。
綺麗なからだしてるんだろうな。吸い付くような滑らかさだろう?」
さすが カメラマンだ。肌のきめ まで 判るのか?
「肌のことはとにかく。千春はクォーターだ。爺ぃさんがカナダらしい。でも黒目で黒髪だったらしい。」
「なるほどな。良いとこ取りなんだ。」
「なぁ 真弓ー。」
「断るぞ。」
「なぁ まだ何も言ってないぞ。明日から あの女を引き止めて 千春ちゃんに いかないように してやるからさ。
真弓と2人一緒で良いよ。写真撮らせてくれないか?」
「えー?写真?」
僕は又 千春を入れて乱交でも 持ちかけられたのかと思った。
「服は着たままでも構わない。この間は ゴーグルとツナギで お前も居たし スタッフもいたからな。近付くこともあまり出来なかった。今日 間近で見たら あの肌にやられた。あれは 美容の専門家も驚くほどだ。アップで撮っても そのまま耐えうる肌だ。
直ぐでなくても良いから。
千春ちゃんに直接交渉したいけど お前怒るだろう?」
「当たり前だ」
「千春ちゃんを直接口説けば 早いけど。頼むよ。真弓。あの性悪女を遠ざけてやるからさ。
考えてみてくれ。
千春ちゃんにも聞いてくれよ。頼んだぞ。」
「ところで お前 なんで この病院に来てるんだ?仕事?」
「実を言うと仕事じゃない。
お前 アーティストに詳しいか?
まぁ お前なら いいか。
アメリカの 〇〇〇〇知ってるか?」
「歌なんぞ聞かないが それくらいは知ってるさ。まさか」
「そのまさかだ。世界的に有名だからな。
密かに 日本に来ていてな。都内だと 目立つし 彼に頼まれてな。俺 昔付き合っていて 一緒に住んでいたんだ。
正行に頼み込んで 特別室で。看護師も2人だけしか出入りしていない。お前も知らないんじゃ 秘密は保たれているな。言わないでくれよ。さっき千春ちゃんが運び込んでいたのも 奴の私物やらリクエストされた物だ。受取人は正行に、なっている。
俺も 話し相手になったり 買い物に行ってやったり 奉仕してるんだ。
ここから 離れるに離れられない。いつ 呼ばれるかわからないからな。」
だから 明日もここに居ると、言うことか。
「だから 暇っちゃぁ 暇なんだ。奴は午前中は ほとんど寝ているからな。
まぁ 病室に行けば 時々 撮らせてもらっているけど。」
そうか そういうことか。
「だから 真弓 さっきのこと 考えておいてくれ。明日はお前 こっちか?」
「ああ そうだ。」
「そうか ところで お前 昼飯は?
焼き肉でも 食いに行かねー?」
そう言って戸塚はニヤリとした。
いつもの 戸塚だ。
その アーティストは 重篤なのだろうか?まぁ 僕が知っても仕方ないか。
僕は戸塚と ランチの約束をしたのだった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
83 / 137