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千春の口には タオルが半分押し込まれたまま 残りは千春の涎を吸って頬の下に 有った。
千春の両手は頭の上にシャツで 丸められてくしゃくしゃになって千春の手首に巻き付けられている。
千春の胸元から 腹 鼠径部 太ももに至るまで 所々 赤く変色している。
真弓が付けた キスマークとも 噛みついた歯形ともとれる痕跡が 散らばっている。
それでも千春の目は怒りも何も無い。
解っている。こうして がんじがらめに 拘束しても 真弓の物には ならない。
千春の体は千春の物だ。
そして いくら渇望しようが 千春の心まで 真弓の手の中には無い。
一時的に 手の自由を奪って その口を 拒絶や 罵倒を吐くかもしれない口を塞いでも 千春の全てが 真弓のものにならない。どんなに 愛していようが 体を拘束しても 物理的に蹂躙したに過ぎない。
いや 千春の心まで 蹂躙したに過ぎない。
このまま 時が止まれば良い。
真弓の暴力に近い いや 単なる暴力を 消せない行為を 咎められることが 永久に 来ない為に。
涙を貯めた愛しい千春をこの胸に 抱いて 真弓の暴挙が 晒される時が 来ることのないように。
しかし
己の 自己中心的な行為が 消えることはない。
悔悟に身を焼こうとも 消えない。
「千春 千春 ごめんよ。僕を軽蔑してくれ。こんな レイプみたいなことをして ごめんよ。ごめんよ。」
真弓は 千春の上衣をほどいて 頭から抜いてやった。そして千春の口に押し込んだ 猿ぐつわ代わりにしていたタオルを 静かに抜いた。
そして 肩を揉みほぐすように 回している千春に 再び 謝りながら 頭を下げた。
「千春 ごめんよ ごめんなさい。」
千春は 丸裸のまま 側に有ったティッシュで 静かに 後孔から溢れる残滓 を 軽く拭いた。
赦してはくれないか……
そして 千春の部屋にある小さな冷蔵庫から1本だけ入っていた ミネラルウォーターのペットボトルを1本真弓の前に置き 部屋を出ていった。
しばらくして バスルームから水音がしていた。からだの後始末をしているらしい。
真弓は 脱ぎ捨てた下衣を身に付け リビングに行き ソファに深く腰をかけて 文字通り 頭を抱えた。
ふと 気がつくと 千春がバスタオルを腰に巻いて 傍らに座った。
「真弓さん お風呂お先です。
さっきまで のどが カラカラで 喋ることが出来なかったんです。ごめんなさい」
なんで千春が謝る?千春。千春。怒ってくれ。罵ってくれ。
真弓は 項垂れたまま顔を上げられなかった。
「真弓さん。俺 あんなことしなくても 真弓さんとセックスいつでも したいです。
痛いの本当は嫌だけど 真弓さんが鞭やロウソクとか したいなら 我慢しますよ。
俺 真弓さんが好きだから。
レイプみたいなこと したいなら 俺 構わないっすよ。
縛りたいなら 口を塞がなくても 良いっすよ。いや 怖がったりする方が良ければそのようにします。俺演技下手くそだから 口を塞いだんでしょ?
俺 真弓さんが好きだから 俺 真弓さんを信じているから 何されても良いっすよ。
俺の女装姿みて 腹が立ったんでしょ?ふざけたこと 昔はしていたから。
あのママに 肩を抱かれてヘラヘラしてたから お仕置きされても仕方ねーなって。俺も覚悟しましたから。
でも あれは昔の馬鹿な俺で。
今は 俺 真弓さんに 呆れられて お仕置きされて。
でも お仕置きされても 真弓さんが 俺を 捨てないでくれるなら どんな痛いことも 我慢しますよ。
俺が 昔馬鹿で 仕出かしたことの 報いなんだから。
だから 真弓さん 俺を
俺と いつまでも 俺を。」
真弓は千春の言葉に 胸が潰されそうになった。この愛する千春は どこまで 健気な人間なんだろう。
「千春。千春。
違うんだよ。聞いておくれよ。
僕は 千春と知り合う前の全ての人間に嫉妬したんだ。
僕の知らない千春が生き生きとして 笑ってる姿に嫉妬したんだ。
僕は 千春のすべてが欲しい。千春を僕のものにしたくて。過去も未来も 千春が欲しい。
そしてね、女装した千春があまりに 綺麗で 色っぽくて
やりたくてやりたくて 我慢できなかった。
もし時間が戻せるなら そこに行って 皆の前から千春をさらってしまいたい。
僕は女には性欲を感じないけど。
千春 本当に 綺麗だった。
女の格好だから とかじゃない。
僕は千春が好きなんだ。どんな格好だろうと。でも女の姿をした千春が 欲しくて欲しくてたまらなくなった。
女の格好をした綺麗で生き生きした、姿を よその人間が知ってるだけで 腹が立ったんだ。
あんなことするつもりはなかったのに。千春が あまりに美しくて 妖艶で。欲しくて 抱きたくて。
そして 感情が押さえきれなくて 過去に戻れないけど あの昔の千春も欲しくて。
自分で 自分の無理難題に 呆れつつ 昔の千春も今の千春も 未来の千春も 全て 僕の
僕だけのものにしたくて。焦って あんなことを。済まない。ごめんよ。本当に 軽蔑してくれ。怒ってくれ。」
「真弓さん。俺 そんな価値無いのに 真弓さんが 苦しむこと 無いっす。
俺 真弓さんのものですよ。今も これからも。逃げないから。
だから
もう一度 優しくキスしてください。
そして真弓さんもシャワー浴びて来てください。
そして いつもみたいに 優しく 抱いてください。
俺 真弓さんと もう一回 いつもみたいにセックスしたい。」
そう言って 千春は 僕に甘いキスをしてくれた。したくちびるを しゃぶりながら おでこをくっ付けながら 何度も 啄むように キスを繰り返した。
こんな僕に
離さないで なんて 言うなんて
ばか な ちはる。
こんな僕に
何を されても 良い なんて
ばか ばか 本当に
ばか な ちはる。
……………終わり……………………
千春の隠し事終わります。
次回は 以前千春が 名も知らぬ或女性に憧憬を覚えた 話。
凛としたその女性。実は………。
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