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俺は 青葉誠。タクシードライバーをしている。
昔 或運送会社に 勤めていたが 時間が自由にならなくて、タクシー会社に勤めを変えた。タクシー会社は 勤務は長時間だが 仕事明けには 朝から晩まで 休みがある。それでタクシー会社に勤めた。
当時俺には付き合っている女が複数居た。主婦も居たし、デパートに勤めている女 美容師 サービス業 夜スナックに勤めてる女も居た。だからタクシーは それぞれの女の都合のいい時間が取れて 一石二鳥ってことだ。
そして、俺には妙にウマが合う友達が居る。
千春って名前の奴。因みに男。
素直で イヤミが無くて 優しくて とにかく良い奴。誰からも好かれる。
俺がタクシーを始めた頃 近いのに 俺を探して 順番待ちして よく乗ってくれた。
あいつも車通勤なのに 駅前まで来て買い物の帰りに乗ってくれたり 飲んで車を会社に置いてきたからって 朝指名で呼んでくれて 会社まで乗ってくれたりもした。
一時期 車を買い換えようとして 資金が調達出来なかったからって 車の無い時期が半年くらいあった。
そのときは いつも隣のO駅で降りて おれの車を待って乗ってくれたりした。
そのO駅で いつも何故か目立つ 良い女が居た。立っている千春を いつも見ている女。見ているっていっても じろじろじゃあない。何気に 見ている。千春は気がついていたかどうか、わからない。
あいつは わりと、そういうところが、鈍感だ。
そういうところが聡いと 俺みたいに 女にモテて ハーレムにだって なれるのに。
自分に向けられている女の視線とか、仕草とか、全く 鈍い。
目の前で 女が千春に 誘ってオーラを出していたのを見たことが何回もある。それだって 千春は わかってない。
千春に 女が今晩 お持ち帰りして ってオーラも気がついてない。
それでも2回結婚しているんだから 女にダメってこと無いんだろう。
俺は、女が好きだから、千春をどうこう しようって気は全く無いけど、千春って なんつーか 可愛がりたいっつうか なんかしてやりたいな って思わせる奴なんだな。
素直過ぎて 結婚だって女に騙されてんじゃ ないかって 心配したこともあった。
でも 女房と でかい喧嘩をしたとも聞いてないし、あいつは乱暴なんかする奴でもないし。向こうが出ていったって言ってたけど。千春の何が不満だったのかな?
で、あいつの、結婚も 幕を閉じた。
まぁ とにかく 千春を嫌がるような 女は居ないと思うんだがなぁ。
とにかく その駅で よくみる、その女はどういう勤めをしているのか 時々帰りが9時頃になる。
夜9時のときは 必ずタクシーに乗る。物騒な世の中だからな。
俺は何回かその女を乗せた。
女の自宅は バスだと 2つ分。歩くと15分くらいか。
何回か乗せると 少し話をするようになる。
千春を乗せてるとき たまたま 良い女が居てって 話になって たぶん同じ女のことだと 俺たちの意見は一致した。
その後昼間千春を乗せて その女が歩いているところに 出くわした。
女は俺を見て軽く会釈して 乗客の千春を見て 固まっていた。
千春に話を振ると 千春も気になっているらしい。何度も駅で会うとか。
珍しく千春が 女を褒めた。
「あの子 良い女だよな。優しそうで。
何回か駅で 妙に目が合うんだ。ああいう子 好きだな。なんかお姉さんタイプで優しく包んでくれそう。
俺 ああいうタイプ好きかも。いや 好きだな。
イマドキの子なら、必ずスマホ見てメールだかなんだか見ながら歩いてるし、片手にスマホ持ってたりするのが当たり前みたいになってるけど。
歩きながらスマホも見ないし、すくっとまっすぐ前見て 歩いて。姿勢も背中まっすぐだし。
そして、髪の毛もアップかポニーテールにしてて。で、うなじがきれいだし。前髪も変に汚く垂れてないし。高くもなく低くもないヒールも良いし。洋服も 派手ではないけど 清潔感溢れてるし。可愛らしい小さなピアスも上品だし。
化粧が濃くないよな。
なんかほっぺたがツルッとゆで玉子みたいでさ。いつも 今風呂から上がりましたって感じだよな。
爪もこの間ちらっとみたら、マニキュアしてるんだか していないのか。爪になんか貼りついてたりしないし、爪伸ばしてないんだよ。自然の色の綺麗な爪だった。好感もてるよな。ああいう自然な綺麗な爪の色。
どこに勤めているんだろう?何と言う名前なんだろう。どこに住んでいるのかな?」
「珍しいな。千春が女の話。しかもベタ誉め。はっきり 気に入った なんて言うなんてな。あの女 何回か乗せたよ。住まいは お前ん処とは 反対方向。
勤めは 理学療法士とかいうもんやってるんだってさ。大学病院の小児科で交通事故に遇った子供の運動機能回復なんかの仕事してるって。病院はどこだか分からねぇ。
たぶん あの沿線の都内に入ったあたりか、都内に入る前か。でかい病院らしい。時々転勤があるってさ。」
「お前 身元調査したのかよ。」
「何回も乗せてりゃ 話も聞けるってぇの。仕事の話振ったら ぽちぽち話してくれて。帰りが遅いですね って話から 介護で 遅番だとかさ。聞いたのよ。
おまえのこと 聞いてたぞ。よく お友達乗せてるんですか?って。楽しそうに話していますねってさ。それ以上言ってねーけど。」
そして その後 彼女は 姿を消した。
姿を消したっつうと オーバーかもしれない。彼女の家は ちゃんと有った。
ただ 駅で彼女を見なくなった。早い時間も遅い時間も。
そして 千春も新車を買って車通勤になり 仕事が忙しいのか、飲みに行かなくなったのか 余り タクシーにも乗らなくなった。
しばらくして千春が仕事でタクシーをやることになったときは 何回か 飯を食べた。けど その女の話は出なかったなぁ。
その後千春は あの便利なマンションを引き払ってS 市に引っ越した。転勤したからって言ってたけど、あの運送会社は あまり転勤は多くなかったような。
まぁ 俺はだいたい 1日おきに 日中暇になるから 1ヶ月か2ヶ月に1回くらいは 用も無いけど くだらない話をするために 千春に 電話する。メールじゃあ 味気ないしな。
今回 千春に無理を言ったのは、サプライズで 会わせたい 人が居たから。
千春 驚くぞ。
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