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高田は今も元気なのか?
と 問いかける戸塚に 僕と正行は 顔を見合わせた。
正行が口を開いた。
「龍、龍三郎はな、結婚したぞ。」
うん。間違ってはいない。
「へぇ。あんな綺麗な男と結婚したなら よっぽど 美人な女か?
俺は てっきり 男とくっつくと思ったがなぁ。世の中わからないなぁ。
日本に来てから 横浜ブラブラしてさ そういえば お前ら 附属の大学行かないで こっちの大学の医学部だったなぁって 思い出してさ。
昔の 携帯 試しにかけたら 正行の番号変わってなくてさ。
それで 近いとこ走っていたから 急きょ ここにきたんだ。
正行は 男っ振り あがってるから つい 抱き付いて 口説いたんだけどさ。真弓も 色気増したな。
2人とも 俺の恋人になれば 良いのに。良い思いさせてやるぞ。
究極の 快楽を 味あわせて やるのに。
まぁ 気が 向いたら いつでも 良いぞ。マジな話。
じゃ 又 来るよ」
見送る為に 戸塚に 次いで 立ち上がった 正行に 戸塚は 素早く 唇にキスをした。
拒まずに キスを受けている正行。
しばらく 院長室に 湿った音が続く。
「やっぱりな。正行。お前 バイだな。
俺の恋人 今度 紹介するよ。可愛い奴隷を飼ってる。」
正行は苦笑いしていた。
戸塚も にやにやしていた。
通じる処が 有ったのか。
お互い尻を触り合っている。
正行が言った。
「だがな 俺はタチ オンリーだ」
「ああ 分かってるさ。お前ら2人とも タチだな。
真弓は ゲイだが ノーマルだな?
正行は バイ。だがタチ。でも S?M?その辺がよくわからん。
Sだと思ったが 俺の飼っている奴隷に 興味を示さない。かといって ノーサンキューの雰囲気でもない。
俺とのキスを 真弓に見られても 何ともないから 相当の場数を踏んでいる とみた。しかし 見られても よろこんでいる 感じでもない。羞恥もない。
不思議な男だ。
真弓 正行。
昼飯一緒に食わないか?俺 朝飯抜きで 腹減っちゃったんだ。
まだ 昼飯には少し早いが 間もなく11時になるから 良いだろう?」
正行が
「お前は 全く 食えない男っつうか 強引っつうか わが道を行くっつうか 自分勝手だな。だけど 不思議と 嫌にならない。カリスマ性っつうか。きらいになれないよ。
真弓?お前は時間大丈夫か?」
真弓が頷くと 正行は ナースステーションあたりに 電話をした。
3人で 表玄関は 気が引けたので 裏の職員出入口に向かった。
歩いていける喫煙OKの、焼肉屋の個室を予約したのだ。
ゾロゾロと3人で裏通りを抜けて 住宅街を歩く。民家の高い塀に囲まれた路地のような 道を歩く。この先の角を曲がれば 大通りを挟んで 焼肉屋の向かいに出ることが出来る。
その時後ろから車が近づいてきた。道路の巾は そこそこ有るが やはり車に道を譲るように 道端に寄る。
先頭の正行は 小走りに 大通りに 走った。歩行者専用信号を押すためだろう。
自然と戸塚と真弓が並んで 塀を背に車を避ける。
そして 車が 通り過ぎ 突き当たりの大通りへ出ようと曲がりかけた瞬間、正行からは死角になっていたからなのか、戸塚が真弓の顎をクイッと持ち上げ 再び 口づけをしようとした。
真弓は 寸前で 手で口を覆って 防いだ。
しかし 真弓は 目の前の 唇の 危機回避をして 貞操を守ったような安堵感も 吹き飛んだ。
目の前を通り過ぎた車に 気がつかなかった。
話に夢中で 気がつかなかった。
久し振りの旧友に会った懐かしさで 気がつかなかった。
狭い道路で車の気配に 道路の端に寄ることしか考えていなかった。
戸塚が アメリカに長く住んでいて キスを軽くしか考えていなかったことに気がつかなかった。
先程 拒絶した ことへの 軽いウェットなイタズラでの 仕返しをされると 気がつかなかった。
そして
今 通り過ぎた 運送会社が
今 通り過ぎた 車の運転手が
千春だと
気がつかなかった。
気が つくのが 遅れた。
真弓が遅ればせながら、視線を送った時 バックミラーに
凍りついた表情の千春が
千春にとっては
ひとけのない 高い塀の 道を 2人の男が歩いていて 車が通り過ぎた途端 キスを交わしていたとしか
見えなかっただろう。
真弓は その場で がっくり
すべての 力が抜けて
しゃがみ込んで しまったのだった。
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