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外でお茶を買って 千春君を覗くと 起きたようだった。
無理しないで。すぐに起きなくてもいいよ。
これからは 医師として 接しないと。
屈みこんで 愛しい名前を呼びかける。
すると 顔を赤くして 目を泳がせている。可愛い!
腕を 触りながら 丁寧に点滴の針を抜いた。
「ありがとうございました。だいぶ 楽になりました。えーっと、待合室に行けば いいんすかね?会計は………。遅いっすよね。」
一応 千春君に 薬を渡して 受付が居ないから 会計も診察券も保険証も 分からない と 伝えた。
取りに ここに 又 おいで。
そう 僕のこと 紹介しておかないと。
僕は ここが自宅でこの医院の3階に住んでいるんだよ。 週末には 来てるんだよ。
「えっ?3階?」
と 君が質問してくる。
そうそう 僕のこと聞いて。
そして 君の為なら 時間外だろうが 休診日だろうが 時間を作るからね。
んーー。
反応が薄い。
と 君が
「駐車場で会ったことないっすよね?」
質問された。僕のこと少しは 少しだけでも 興味向けてくれた?
それから 少し 帰りたがる君を 引き留めて 名前を印象付ける話から 始めると ようやく 話に のってくれた。
「真弓って 名前を からかった奴 ぶっとばしてやりたいっすね。」
と 眉を寄せて 憤慨して。
あー 僕の為に 怒ってくれた。
正義感とかじゃないよね。僕の味方になって 僕の為に 怒りを 持ってくれたんだね。
やっぱり なんて優しい人なんだ。なんて言い表したらいいか わからない。
好きな人に 味方に なってもらって 思いやりの心を 見せつけられて こんなに こんなに 心浮き立つなんて。
飾らない言葉と言葉づかい。
そして 僕を 知ってもらいたくて。
普段の勤務先 医院での勤務状況 独りで3階に住んでいることを 話した。
僕は 独身。だからね。
怖くて 君の ことを 聞けない。
無難な 好きな食べ物 から 仕事の話。
君は 愛する人が 居るのかい?
日本酒が好き?
「そうですか。千春さんは 日本酒が好きなんですか。僕も 好きですよ。」
君がね。と心の中でつぶやく。
「僕はね ちょくちょく地方出張があって その土地のね 美味しいって評判の日本酒を 土産に買って帰ることが あるんですよ。そうか 千春さんも日本酒好きなんだ。じゃあ 隣のよしみで これも何かの縁かもしれないし 良い酒 手に 入れたら 一緒に 一杯やりませんか?僕の父はね あんまり 飲まない方で。僕の友達も 飲む奴いないんです。飲んでも 洋酒とかビールとか。」
「ええっ? 先生と?俺なんか が っすか?」
「千春さん。その先生って やめましょうよ。僕と千春さんは 隣同士なんだし。同じ日本酒好きって ことで。」
「ええっ?じゃあ じゃあ 山手さん?
ダメっすかね?じゃあ 真弓先生?」
「酒飲み仲間なんだから 真弓 でいいですよ。僕も 山科さんのこと 千春さんって 呼びたいし。似たような苗字ですから 苗字呼びは やめましょ。」
すると少し顔を赤らめて
「なんか 名前呼びって 親しくなったみたいっすね。 俺なんかが 先生のこと 名前で呼んで 図々しくないっすか?ムカついたりしませんか?」
「そんなこと ありませんよ。むしろ嬉しいです。」
すると 花が咲いたように ぱぁっと 赤くなってそれはそれは 嬉しそうに笑った。
「俺はね 昔っから 友達も 千春って呼んでいたし 婆ちゃんも 千春って。女房も千春とかあんたとか。」
そうか やっぱり
この 人には 奥さんが 居たのか。
だよな。ノーマルなのは 仕方ないことだし 諦めもつく。奥さん か…………
「でもね 俺 甲斐性ないから 女房と離婚してね。両親も居ないし 俺を育ててくれた婆ちゃんも死んじゃったし。俺 将来孤独死するタイプなんすよ。タイプって言わないのか?ありゃ?」
「いや 具合が 少しでも 悪くなったら いくらでも いつでも 絶対 診察してあげます。体調が 少しでも 気になったら 僕が 必ず診てあげますよ。心配はいりません。」
「えっ? 本当に?
これから?本当に?
ずーっと?
本気にしちゃいますよ。
俺 一生安心じゃん。
一生本当に診てくれるんすか?えへへ 将来 約束 されたみたいで嬉しいな。
一生 真弓さんに 面倒みてもらおうっと。
あっ 真弓さんって 図々しく呼んじゃった。すんません。」
肩をすくめて 無邪気に 話す君。
一生 そばに 居たいよ。
今は 独り暮らしの千春さん。
今は隣同士の千春さん。
酒飲みの 約束を して 携帯の番号とアドレスを交換した。
夜を一緒に 君と 過ごせる。
酒に酔った君を 介抱できる。
その夜
僕は 興奮して 高ぶりを 収めるのに
熱を鎮めるのに 何回 吐精しただろう。
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