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正行と飛行機に乗り 地方の駅前ホテルで 荷物を整理して 午後から講習を受けたが 夕方になって 講師がインフルとかで 明日からの予定が丸々 キャンセルになってしまった。
正行はバビを同行していたので 今晩予定通り宿泊して 観光をして明日帰るという。
僕は 明日朝一の飛行機で帰ることにした。
夜 賑やかな地方の街に 出る気にもなれず 寝不足もあって 早々に 床についた。
千春からのメールで引っ越しは無事終わったようだ。明日も千春は休みだが 引っ越し先の 萩ちゃんの家に行くかもしれないという。
引っ越し先は 確か 僕の実家の近く。
僕も行こうと思えば 空港から 明日昼前には 横浜に着くだろう。
しかし もし 千春が 横浜にいくなら メールで その旨 連絡してくるだろう。横浜に行くか マンションに帰るか 明日決めれば良い。
翌朝 すっきり目覚めた僕は 簡単な朝食を済ませて 正行達と別れ 飛行機で 東京に帰り 千春には何も知らせず S市のマンションに直行した。
朝 向こうを7時過ぎに飛び立ち 朝9時過ぎには 羽田に到着した。
休みだとはいえ さすがにもう千春は起きているだろう。いやまだ寝てるかな?
あの一人では広過ぎるベッドで いつものように 横向きで 無邪気な寝顔で。
いや 独り寝は 寂しいといつも言っていた。
僕が出張や病院に宿直のときは 抱き枕を抱いて寝るって、言ってたなぁ。
え?
うちに 抱き枕なんかあったかな?普段の枕を抱いてるのか?
マンションに着いたのは もう 午前もだいぶ過ぎて 間もなく11時。
驚かせようと そーっと マンションの鍵を開ける。
一晩寝て 僕も冷静になっていた。
今は ただ 千春を抱き締めたい。
冷たくしてしまった自覚はある。
言葉で 千春を詰った訳ではないが 出張前に 何もしなかったのは さすがに 初めての事だ。
風呂に一緒に入って 何も イタズラさえしなかったのは初めてだ。
千春の言葉を あんな風に遮ったのも初めてのことだ。
風呂上がりに 千春に 飲み物をすすめなかったのも 初めてだ。
改めて振り返ると あまりに 酷いことを 千春にしてしまった。
あの夜 涙を 流させてしまった 原因は僕だ。
嫉妬で 冷静さを欠いていた。
ごめんよ。
マンションは
カーテンも開いて 家の中は すっかり明るくなっていて コーヒーの香りも 漂っていた。
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