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0 もしも……2
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穏やかで 静かで低音で どこか グッとくる声と共にドアを開けたのは 白衣を着たスゲー イケメンだった。
背もすらりとしていて かといってガリガリじゃない。胸板も厚くて ガッシリしてる。俺は筋トレが趣味で からだを見れば 筋肉質かどうかわかるけど、このイケメンは何か運動でもやっていたのかな。
顔もなんだか 健康そうな色ツヤだ。眉毛がキリッとしていて ちょっと怖い感じもするけど 俺には優しくにこやかに していた。
俺は ベッドから起き上がって ペコリと頭を下げた。すると医者が 俺を見て固まっている。
あれっ 俺 顔になんかついてるのかな。
俺も何となく 医者の方をみると 胸に 真弓って名札が見えた。
えっ?と言うことは このイケメンが真弓?あの優しい先生の息子かよ。そー言えばどことなく似てるかも。この人もあの先生みたいに優しいのか?
しばし 俺と真弓先生は 見つめ合ってしまった。
この先生 真弓って名前なら きっと俺と同じ様に名前でからかわれたりしたことあんのかな?でも こんだけ整った顔なら いじめなんか 受けなかったかな?まぁそういう俺も からかわれたり は したけど いじめられたり したことは なかったかな。
少し目を見開いて固まっていた 真弓先生は 俺にたずねた。
「……楽になりましたか? 山科………千春さん。」
「えっ?あ はい。節々の痛みもだいぶ良くなりました。ありがとうございました。そして遅くまですいません。」
「いや 大丈夫ですよ。
あっ そうだ。今針を抜きますね。ちょっと 腕押さえますよ。ちょっと痛いかな?はいっ ここを押さえてくださいね。はいっ もうテープ貼りましたから 良いですよ。袖 下ろしましょう。
はいっ これ 薬ですよ。えーっと食後 一日三回飲んでくださいね。
喉痛くないですか?
トローチが出てないな。」
「あっ 薬ですね。ありがとうございます。えーっと 飲み薬だけみたいっす。」
「喉腫れてないのかな?
トローチ出しておきましょうか?あ それより 喉を もう一回 診てみましょう。診察室へどうぞ。」
えっ?もう一回診察?
丁寧だなぁ。点滴終わって又診察すんの?俺 普段医者なんて来ねーからわかんねーけど。みんなこーなのか?ま いいか。
その医者 真弓先生は ご丁寧に エアコンをつけてくれて 部屋が暖まるまで 待ってくれて 俺の喉を丁寧に調べてくれた。近づいた先生の息が微かにミントの、香り。
そして
もう一回胸の音を聞きましょうって すごく丁寧に 俺を脱がして 長いこと 胸の音を聞いていた。イマドキにしては珍しく むねと背中をトントンと 叩いて 診てくれた。本当にこの医院丁寧だし親切だよな。
寒くないですか?って 俺の肩やら 背中やら 胸をさすってくれて。
鳥肌はたってないよね って 胸をワイパーみたいに触られたときは ちょっと 声にならない声が 喉の奥で 鳴っちまった。
極めつけは 何と 住所を聞かれて 隣だって言ったら 隣近所のよしみだからって家まで 送ってくれるって云うんだ。
勿論断った。だって 俺だって男だし。隣まで歩けるっつうの。
じゃあ 点滴がちゃあんと全身に行き渡るまで 少し話をしましょうか。だって!
真弓先生は 普段 S市の病院に勤めているとのこと。
この医院は実家で 3階に一人で住んでるとのことで 家族は2階なんですよって言ってた。これから週末には時々手伝いに来るって。元々横浜だけど この辺りには 友達が居ないし 職業がこんなだから って。これからは 隣人として 付き合ってくれませんか?
って言われちまった。
なんか可愛い人だな。友達になってくれ なんて 小学生以来だよ。
そしたら名前の話になって。
先生も真弓って名前で俺も千春って名前で。何となく親近感がわいちまった。
それになんか低くて 優しいし声に 暖かさがあって 思い遣りもあって スゲー和むっつうか 話しても話しても 飽きない。先生の話題が尽きないっつうか。
すっかり意気投合しちまった。
真弓先生の微笑む顔が ちょっと眩しい。
お互いに日本酒が好きってことも分かって。真弓先生が 良い酒手に入ったら飲みましょうって 約束までしちまった。
俺は別にいつでも構わねー。って言ったらご家族は?って。
仕方ねーから 苦い過去を話した。バツ2なんですよって。
そしたら手で口を覆って難しい顔をしていた。なんか 気を使わせたかな?俺はもう 過去のことだし 円満離婚だし もう忘れちまった過去なんだからって 言ったよ。だって離婚したことって 普通は 暗い過去ってなるかもだからさ。
俺は今気ままに 独り暮らしを 満喫してるから。
真弓先生が 俺の肩を抱くように触りながら 良いからだをしてますね。って。
だからさ 筋トレしてるんすよ。って。
うちに トレーニング用具が置いてあるんす。って言ったら 筋トレって?
と 聞くからよ俺は 俺の知識を披露した。超回復って話。筋肉をいじめて いじめて からだを休める。すると休んでる間に もとどおりに回復しようとして 元の筋肉以上に 筋肉が付いて 筋力アップ。これが超回復。だからさ 毎日 ギリギリまで筋肉をいじめちゃあダメなんだ。インターバルみたいに トレーニングをしない日をつくって 筋肉を休ませるんだ。って。
プロティンも 良い効果のものは 激マズなんだけど。筋トレ最中に 高カロリーの甘いものを体に入れる。チョコレートなんか最高。プロティンもチョコ味。ホエーとか 色々話をしたら 真弓先生は整形が本業らしくて 又々 からだを触らせて下さいって言うから 触らせちゃったね。どうぞってなもんよ。そしたら 胸筋は?って聞くから 又 上を脱いで 胸筋を 触らせたんだけど さー。なんか 触り方が おかしいかった ような。
だって 乳首を中心に掠めて触るんだ。
そして 俺 女じゃねーのに 俺の胸筋を むんずと つかんで 揉んだんだ。まぁ筋肉を 確かめるっちゃあ 確かめていたけどさ。
すごい筋肉ですねーって スゲー感動したように 言ってたなー。真弓先生のまわりにゃ マッチョな奴居ねーのか?
だけど 俺も変なんだ。乳首を触られたら なんか からだの奥の奥が 腰の奥が 更に ずくん と したんだ。俺も焦ったぜ。
とにかく 飲む約束して 携帯のナンバーとアドレスの交換はした。
俺はあんまり強いってほどじゃねーけど。酒を飲むのは好きだ。
近々 長距離に乗るんだって話をして その長距離が終わったら 飲みましょうって約束した。
この時点で 俺も この人と どうにかなっちまう なんて 考えもしなかったし。ましてや その 男同士で アレするのが あんなに 気持ち良いなんて 知らなかったし。とにかく なんだ そのぅ……
でも このとき 俺は この人に ひとめぼれしていたんだな。好きになっていたんだ。
そして この人と 一生 一緒に 居たいって 思って 独り占めしたい って
要するに その
今は 愛してるんだよ。
真弓って 人を。
俺は 離れねーぞ。
良いだろ?
ヘヘヘ。
…………
番外 もしも…… 終わります。
次回 欲しがってもらいたい のか 悩む千春の話。
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