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0からの始まり
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目が覚めると俺は病院のベットの上にいた。
なぜ此処にいるのか、
なぜ寝ているのか、
なぜ怪我をしているのか、
…………分からない
唯一、分かっているのは自分の名前と歳ぐらい。
床頭台に乗っていた鏡を取り、自分の顔を見る。
頭には包帯。
左耳についた小さなパールのピアスが目に入る。
あまり目立たないがとても綺麗だ。
小さくても高そうなピアス。
ドアが開く音が聞こえ、振り向くと勢いよく抱き締められた。
『…………梓!!!……よかった』
『…………誰?』
抱き締めたのは俺よりも少し年上ぐらいの男の人。
『覚えてないの?和真だよ……』
悲しそうな表情で俺を見る。
俺はまだボーッとした頭で考える。
『かずま…………思い出した‼従兄弟の……和真!』
嬉しそうにホッとしたように和真は笑う。
『よかった、忘れられたかと思ったよ。ちょっと待ってて、先生呼んでくる』
そう言って和真は医者を呼びに行き、医者が俺のところに来てなぜこうなったのかの説明を聞いた。
説明を聞いてまず、ショックが大きかった。
夏休み中、俺は両親と一緒に車で和真の家に行った帰りだったらしい。そこで飲酒運転のトラックと事故にあった。両親は即死。俺は奇跡的に息だけはあり、すぐ病院に運ばれ助かったのだ。だが、俺が目覚めたのは半年後。今は冬。しかも、事故にあったショックからか、ほとんどの記憶がなかった。
和真の両親は、退院後の俺のことを考え、俺を引き取ることを提案してくれた。最初は申し訳なく断ったのだが、和真にも来て欲しいと押され、了承した。
そうして一週間後。俺は退院した。
高校受験もあり、俺は短期間で猛勉強し、和真の通っている私立の男子高校に合格。俺は事故にあっても学力だけは馬鹿になっていなかったのが救いだ。
『梓、合格おめでとう!!!俺も凄く嬉しいよ、一緒に通えるね』
和真は嬉しそうに自分のことのように喜んでくれた。
今日から俺は高校生。
この先の未来に何が起きるのかなんて、今の俺に知るよしもない。
~0からの始まりend~
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