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野球します①~二次創作弱虫ペダルメジャーコラボ作
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TIME駆って丘へ行く。
スタンドで買ったフィッシュアンドチップスと、尻ポケットの坂道の手紙。
お気に入りの木にTIMEもたせかけ傍らに座る。
端を破くと女の子折りの手紙が出てくる。
坂道の文字。
見慣れた、見やすい…
いつも同じ始まり方だ。
大切な巻島さん。
お元気ですか?…
《東村》
「野球?」
路上カフェのテーブルセットにだらしなくついて、グラスに氷、ストロー、ベプシ。
上品な飲み方をだらしなくすすりながら、荒北さんが聞き返す。
「はい。何でも相手高の監督さんが、うちと同じで外国の人だって言うんで、急遽決まったんだそうなんです」
「でも自転車競技部と野球部じゃ、競う話になんなくね? 野球部ねえの? 総北」
「あります! 県大会にも行ってます! 四位でした!」
(坂道君。四位は県大会に行ったとは言わんのじゃ。敗退したちうんじゃ…)
「ならなんで自転車競技部…」
「十二人しかいない野球部で、六人怪我しちゃってるんですって。どこかの部が人貸したら出来るって話になって、バレー部とうちが…」
「へええ。ご親切なこったねえー」
荒北さんの言いぐさには、なんかやたらと険があった。
「野球嫌いなんですか」
「嫌いだね。かなり嫌い…って呉南。何そんなにいらいらしてるわけェ?」
あーーーーもう!
堪忍袋の緒が切れたとじゃああ!
「時間が惜しいからです! 僕はアキバにおしゃべりしにきたんじゃのうてガチャ引きに来たんじゃ! 坂道君と荒北さんにとってはアキバは日常かも知れんが、僕にとっては非! 日! 常! なんじゃああああああ!!!!!」
立ち上がって叫んだ僕に、さすがの荒北さんも少したじろいだ。
「行きゃあいいんだろ行きゃあ。こないだのガチャ場でいいんだろ?」
立ち上がって歩き出す。
僕と坂道君がついていく。
ガチャだーガチャだーと歌いそうになる気分を落ち着かせるために、気にもならない話の続きを促す。
「最低三人は必要ですよね」
「はい。僕は戦力になんないから、今泉君と鳴子君と手嶋さんと青八木さん、あとバレー部の主将さんが行くみたいです」
「ずいぶん混成チームじゃのう。それで野球になるんかな」
「大丈夫みたい。相手の学校、去年野球部出来たばっかで、その前の年までは女子校だったそうだから」
荒北さんの足が止まった。
「そこ学校名、聖秀って言わねえか?」
振り向かずに聞いている。
こういう時、栄吉さんなら感情が血走ってる。
荒北さんも似たタイプ。
そういうの気にしない坂道君はすらすら答えた。
「そうですよ。聖秀学院高校です」
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