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夏休みが寒くなる
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高校二年のある日の夏休み。
いつものように、僕は悠一の家で夏休みの宿題をするという口実を作って、悠一の家に来ていた。
かすかに鳴る綺麗な風鈴の音が、暑い暑い気温を下げてくれてる気がする。
「おい、千夜。アイス食べながらベッドに寝っ転がるなよ。いつも言ってるだろ」
クルクルと動く椅子に座りながら、悠一は僕の事を軽くにらむ。
そんな視線を無視して、僕は小さく笑った。
「いひひ。良いじゃん、別にー。暑いから動きたくないんだもーん」
ベッドにうつ伏せになり溶けかかってるアイスキャンデーを舐めながら、僕は悠一を見る。少しの沈黙のあと、悠一は椅子から立ち上がると、僕に近寄り僕の手からアイスキャンデーを取り上げる。
視界から消えていくアイスキャンデーを目で追うと、悠一が僕を見下ろしてる姿が見える。
「あ、ちょっ…、と!僕のアイスだよ、返してよ」
「良いじゃん、別にー。暑いから食べたいんだもーん。……文句あるか?」
僕のさっきの言い訳の様子を真顔で真似してから、悠一はイタズラっ子のように口角を上げる。言葉に詰まる僕の返事を聞く前に、悠一は僕の食べかけのアイスキャンデーを口に含む。
「…あああ!!僕のアイスキャンデー!!僕の、……アイスキャンデー!!」
子供が駄々こねる時のように叫びながら、悠一のズボンをグイグイ引っ張る。
文句あるか?って……。ありありだよ、沢山あるよ、あり過ぎるよ……!
ぼ、僕の食べかけのアイスキャンデー……。食べかけ…、食べかけなのに、……。
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