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灰色生活に輝かしい視界を
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目が覚めてすぐ横に眠っているつばきの寝顔が視界に入った。
眠っているとちょっと幼い顔立ちになる。
最近、というか僕があの夢を見て一緒に寝てほしいと頼んだ日から、ずっと僕の横に寝てくれてるつばき。
狭いベット。
僕を優しく抱きしめてくれるつばきの温かい胸の中は落ち着く。
僕はつばきの寝顔をじっと見つめた。
「……んーっ」
掠れた声を出したつばきのコーヒー色の瞳がゆっくり開いて、僕の顔を映し出す。
「ミケおはよう」
「おはよう、つばき」
優しく微笑むつばきに僕も顔が緩む。
そんな僕の長い前髪を指先で優しく撫でる。
「なぁ、ミケその前髪切らないのか?」
僕の前髪を上に上げた。
どうでもよかった。自分の髪がどれだけ長くても…。
でも――
「……つばきが切ってくれるなら…」
つばきが、切ってくれるならそれはそれでいいかもしれない…。
「え?俺が??」
「つばきに切ってもらいたい」
固まったまま僕の顔を見ている。
前髪を撫でていた指先までも、僕の前髪をつまんだまま止まっている。
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