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今日はバイト休みだし、帰ってきてからミケとどっか行こうかな。
最後の授業も終わり、急いで学校を出た俺は、早くミケに会いたくて歩く足を速めた。
「――あれ、つばき?」
「ミケ?」
海岸沿いの道を歩き、あと少しで自分のマンションに着くというところで後ろからミケの声がした。
「つばき!」
嬉しそうに俺のもとへ走ってくるつばき。
すぐにこちらに近づいてきたつばきは息切れ一つせず笑顔で俺を見ている。
「つばき今日、バイト休みだったんだね」
「あぁ」
そういえば今朝、バイト休みってミケに言うの忘れたな。
「ミケは出かけてたの?」
「…えっ、ぁ、うん」
歯切れの悪い返事。
「どこ行ってたの?」
思わず聞いてしまった。
「うん、ぇ、あ、散歩かな。この前つばきが買ってきてくれたアルファベットのドリルやってたんだけど、ちょっと息抜きしたくて…」
「そっか」
早口で説明したミケ。
何か隠してることありそうだな。
そういえば、2学期の終業式の日もひとりで海見に行くって出ていったよな。
「ねぇ、つばきそれ何?」
何か隠してることあるか聞こうとしていた俺より先に口を開いたミケは、右手に持っている紙袋を指差した。
「あぁ、これはチョコ。それよりミケ今からどっか行こう。行きたいとことかあるか?」
「うーん、行きたいところか…」
「せっかくバイト休みだしな」
「うーん。じゃあ海で一緒に星眺めよう」
数分考えたミケは、笑顔で海を指差した。
「え、そんなのでいいのか?」
「うん。つばきと一緒に星を眺めたい」
「まぁ、ミケが言うなら…。1回帰って着替えてからでいいか?」
「うん」
大きく頷いたミケ。
二人並んで家までの道程を歩いた。
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