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一回、家に帰り普段着に着替えた俺をソファーに座って待っていたミケ。
「ほら、ミケ。これ」
俺は自分のマフラーをミケの首に巻いた。
「てか、もしこれからも一人で散歩行くときとかは寒いからこれ付けていけ」
2月。
まだまだ寒い日は続く。
「でも、これつばきのやつ…」
「いいから。それあげる」
「えっ、いいの?」
俺はミケの頭を優しく撫でながら頷いた。
ミケの髪、さらさらして綺麗だよな。
「ありがとう!嬉しい!」
俺の顔を大きな瞳で見つめているミケ。
ほんと、ミケに笑顔が増えてよかった。
ミケが笑った顔を見ると、安心するんだよな。
「よし、海行くか」
日も落ち始め暗くなり始めている空。
俺達は浜辺に並んで座った。
隣にミケがいて、二人でこうやって何も話さずぼーっと海を眺めるのもいいな。
「……椿と会う前はひとりで海も星も眺めてたけど、ひとりより椿と一緒に見る方が何倍も綺麗に見える」
ぼそっと呟いたミケ。
体育座りで膝に顔を埋めているが、その瞳は海を眺めている。
その瞳が何故か暗くて――
俺はゆっくりミケに腕を伸ばし、小さい身体を包み込んだ。
「…椿?」
腕の中にすっぽり収まった体育座りしているミケの身体
「そんなのまたいつでも一緒に見に行こうよ」
だから、そんな寂しそうな顔するな。
「うん。そうだね」
先程よりだいぶん明るくなった声。
ミケは俺の背中に腕を回した。
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