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「あら、藤宮さんの言う通りすごく美形な方ね」
「まぁ、俺らツートップイケメンズだからな」
藤宮先生はそう言い、俺に向かってウィンクした。
「ふふ。藤宮さん面白い。さぁさぁ好きな席に座ってくださいな」
カウンター席は全部埋まっており、俺達は店内奥にある座席へと座った。
「飲み物はビールでいいだろ?」
「はい」
「じゃあ料理は俺のおすすめを適当に頼んでいいか?」
手書きのメニュー表を俺にも見せながら聞いた藤宮先生。
「はい。嫌いなものは特にないので大丈夫です」
「オッケー。じゃあ適当に頼むわ」
ほんと駅の近くにこんな店があったなんてなー。
いつも仕事が終わったら、電車に乗って家に帰るだけで寄り道もしてないしな。
しかも休日は家で授業で使うプリント作ったり、答案用紙の採点したりで一歩も外に出ない日のほうが多かったりするし。
たまには街の散策してみようかな…。
「あれ、今日はあのバイトの子いないんだ」
「そうなの。うちのとこの前にもう一個、別の所で働いてるんだけど、そっちが忙しいみたいで、上がったらこっちに来るって言ってたけど…」
藤宮先生はいつの間にか料理を頼んで、女将さんと少し会話をしたあと、メニュー表を直しながら「大丈夫か?」と聞いてきた。
「なんか、ぼーっとしてたけど疲れてるのか?」
「あ、いや大丈夫ですよ。ただよく利用する駅の近くにこんな店があったんだなーって思って」
「あぁー、卯海先生真面目だから仕事終わったら寄り道もせず家に帰るタイプだな。しかも休日も家に籠もってそうだし」
「まぁ…」
事実なので何も言えず苦笑いをこぼす。
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