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僕は閉じていた目を開いて、自分の首元を触る。
「………これ…」
「それ、ミケの忘れもの」
つばきは僕の首に巻かれている、紺色のマフラーを指さしてる。
「でも……これつばきの……」
紺色のマフラーは、あの頃つばきが着けてたマフラーで……。
「あげるって言っただろ」
あの日――バレンタインのときだった。
つばきが僕の首にこれを巻いて、海へ星を見に行った。
そのとき、確かにつばきは僕にこのマフラーをあげると言っていた。
「でも……そしたらつばきが……あっ」
これを僕につけたらつばきが寒いんじゃないの、そう言おうとした。
……………けど、つばきの首元には赤いマフラーが巻かれている。
「俺はこれがあるから大丈夫」
あのマフラー。
そっかつばき、ちゃんと使ってくれてるんだ。
赤いマフラー、僕がつばきのために内緒で編んだマフラー。
嬉しい……。
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