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それからはお互い無言のまま歩く。
そういえば、どこにご飯を食べに行くのかな……。
僕は隣を歩くつばきの顔を、こっそり見上げると――つばきも僕の方を見ていたみたいで、ばっちりと視線がぶつかった。
「………ぁっ、えーと……」
はずかしくなりなにか言って誤魔化そうと思うけど…言葉が出てこない。
「―――俺さ、あのときミケと過ごした日々のこと今でも覚えてる……というか夢にも見るぐらいなんだけど…」
後半はひとりごとのように呟いたつばき。
「あのとき、海岸でミケと出会えてよかったなーって」
「僕も…つばきと出会えてよかった。つばきと過ごした日々も一生忘れないと思う」
食い気味に発した僕に、優しく微笑みながら頭をポンポンと撫でるつばき。
あー、やっぱりつばきのこと好きだ。
つばきの温かい手のひらに、頭を撫でられると、自分の気持ちに正直になれた。
「――ミケにそう言ってもらえて嬉しい」
僕の顔を見つめたまま小さく呟いたつばきの声は、近くにいるのでばっちり聞こえた。
僕はその声に返事をするように、微笑んだ。
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