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「……ぇーと。マスターの作る料理が好きなお客さんです」
思わずそう答えてしまった。
紫村さんが射抜くような、鋭い視線でつばきを見ている。
そんな紫村さんがこわい…。
「そっか。そうなんだね。じゃあエビピラフ楽しみだなぁ」
すぐいつもの笑顔に戻った紫村さん。
「……マスターに注文の品、伝えに行っても――」
ぼくは紫村さんに握られている自分の手首を見た。
「あ、呼び止めちゃってごめんね」
紫村さんが握っていた手を離したので、すぐその場を後にして、カウンターの向こうにいるじいやにエビピラフをと伝える。
「大丈夫かい?」
「…え」
「顔色が悪いよ。少し裏で休んできなさい」
じいやのその言葉に甘えて、休憩所となっている厨房の裏へと移動する。
一刻も早く紫村さんのそばを離れたかった。
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