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——今日はお昼前から雨が降り出し、お昼のピーク時もお客さんは比較的少なく、ゆったりとした時間が流れていた。
今のこの状態で忙しいと多分ミスを連発していたと思うから、ちょうどよかったのかも……。
絹子さんたちにもあまり心配かけたくない。
「みけくん、顔色がよくないけど大丈夫かい?」
「大丈夫です!」
お客さまの席へお水を注ぎに回り終わったぼくに近づき、優しく声をかけた絹子さんにぼくは笑顔で答える。
「無理しちゃダメよ。今日はあまりお客さんも多くないし、早めに終わってもいいからね」
「ありがとうございます」
絹子さんの優しさが、今朝の手紙の恐怖を少し和らげてくれた。
「そういえば今日は椿くん来ないのかね…?」
絹子さんが入り口の扉を見つめている。
絹子さんもすっかりつばきのトリコになっちゃってる…。
ぼくはそれが嬉しくて笑みがこぼれた。
———そのあともお客さんは比較的少なくて、のんびりとした時間が流れ、シズクでのお仕事の時間が終了した。
ぼくは絹子さんとマスターに挨拶し、さつきへと向かう。
よかった。雨は上がってる。
空はさっきまで大雨だったのが嘘かのように雲の隙間から陽光が漏れている。
その後もつばきは来なかった。
絹子さんはあからさまにがっかりしていて、その姿がおもしろくて思わず笑みがこぼれた。
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