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灰色生活にひとつの肉まんを
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「なにお前、家ないのか?親は?」
「親なんていない」
僕はこの世には必要ない人間なんだから……
先程まで、眉をひそめ怪訝そうな顔をしていたのに、今は眉を下げ、たれ目の双眸がますます下がっている。
「…俺、これからバイトなんだよな…。とりあえず、これ食えよ」
前半は独り言のように呟き、後半は俺にコンビニの袋を渡しながら言った。
「お前、細えし。これ食え」
袋を受け取らず、訝しげに見ていた僕に、袋の中から紙の袋に入ったものを渡した。
「……なにこれ…」
「肉まんだ。ほら食え」
僕は恐る恐るそれを受け取った。
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