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灰色生活に最大な優しさを
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「今日も綺麗だなぁー」
あの後、男から貰った肉まんをちびちびと食べ終わり、空を見ると星が出てきている。
ただ、ただ、星を眺める。
星を眺めるのが好きだ。
ひとつだけ輝きが強い、あの星の名前は何ていうんだろうか…
学校に行けば、習うのかもしれない。
でも今更、学校に行こうとは思わない。
僕の居場所なんてない学校。教師も僕の存在なんて見て見ぬ振りの無視。
僕が学校に来なければ来ないで、どうでもいい。
中学校は所詮、義務教育だ。
行かなくたって、卒業できる。
来年の3月で卒業。
卒業しても、今みたいな生活を続けるんだろうか…。
仕事したい。仕事して、自分ひとりで暮らせるお金を稼ぐ。
その方法が一番いい、僕だってそうしたい。
でも、小学校も中学校も碌に行っていない僕が…自分の名前もわからない僕が社会にひとりで立つことができるのか――。
名前のない僕を雇ってくれるところなんてない、か。
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