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灰色生活に温かすぎる愛を
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「………あのぉ…僕小学生じゃないけど……」
未だ小学生と勘違いしているつばきを見ずに呟いた。
「はぁ!?違うの!?」
余程驚いたのか、弁当の容器を持ったまま固まっているつばき。
確かに僕、背ちっちゃいけど……
「僕、一応中学3年なんだけど…」
「まじ?てっきり小学生かと思ったわ」
つばきは目を見開いたまま、独り言のように呟く。
ちょっと失礼じゃないかな、それ…
僕はつばきの座ってる反対側を向いて、のり弁当を食べる。
「そういえば俺の年齢言ってなかったな。俺は、高校2年。16歳」
「……え」
思わずつばきの方を見てしまった。
高校生……!?
大人っぽいから全然見えない…
「何その驚き方。俺、老けて見えるの?」
「老けてというより、大人っぽいから……」
僕は箸でご飯を掬いながら食べる。
「なんだ、褒めてくれたんだ」
にこっと笑ったつばき。
「てか、ミケ箸の持ち方、変だな…。こうやって持ってものを挟む」
つばきは自分の割り箸を持って、ちくわの磯辺揚げを挟んだ。
僕はそれを見詰め、つばきが持っている持ち方を見よう見まねで真似する。
「そうそう。そんな感じ」
なんとか箸で物を掴めた僕に笑顔で褒めるつばきに、くすぐったい気持ちになる。
僕はそんなくすぐったい気持ちを誤魔化すように、のり弁当を口の中にかき込んだ。
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