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俺たちの住んでいる町と比べられないぐらいの人の多さ。
夕方の時間帯とあり、賑わっている。
ミケは俺の手をぎゅっと少し強く握る。
そっか。ミケはこんなにも人の多いところは初めてか。
俺もミケの手をぎゅっと握り返して、ミケの顔を見た。
ミケは不安げに口がへの字に下がった顔で、見上げて俺の顔を見ている。
俺は微笑み、ミケの頭に手を乗せ「大丈夫。手を繋いでたら俺とはぐれない」と優しく言った。
ミケは少し顔を緩め、「うん」と頷いた。
えーと。確か、教材は1階だったはず。
俺はミケの手を取りながら、お目当ての教材コーナへと向かう。
小学6年間と中学3年間の漢字ドリルと、計算ドリル。
俺の分の数学の問題集を手に取り、レジへと歩き出そうとした。
……が、手を握っているミケが立ち止まったままで、俺はミケの方に視線を向けた。
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