アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
記憶。
-
毎日、毎日苛められていた。
『おまえなんかいなくなっちゃえー!』
『みーんな黒い髪の毛なのに、おまえだけ真っ白じゃんか!宇宙人ー!』
どっかの外国人と、日本人のハーフで、生まれつき髪の色が白髪だった。
「みんなと違う」からって理由だけで、毎日髪の色のことで宇宙人呼ばわりされて、毎日泣いていた。
やめて、やめてよ、僕、宇宙人じゃないよっ、
『宇宙人! 宇宙人! どっかいっちゃえー! 地球からでていけー!』
やめて、やめて、やめてよぉ……っ!
『…ん?なんだよヒロ、なんか文句でもあるの?』
家が近くて、母親同士が仲が良かった俺とそいつは
よく遊んだり、泊まったり、それなりに仲が良かった。
けど、そいつの苛めに俺はその日、初めて知って。
自分も苛められるんじゃないか、って思うと怖くて、反論できなかった。
ひ、ろくん…?
ひろくん、たすけて、僕、宇宙人じゃないよねっ、ひろくん!!
そいつの助け船は俺だけだったのに
俺しか、助けてあげられるやつはいなかったのに
『…っ……宇宙人じゃん、そんな変な頭して、ばーかばーか!!』
怖くて、怖くて、そいつの助けに答えてあげられなかった。
味方をすれば俺が苛められる、そんなの嫌だ、って思ったら、口が勝手に動いていて……
っ、ひろくん…? なんで? 僕の髪のことキレイって、言ってくれた……!!
『はあ?そんなのいってねーよ!2度とおれに話しかけんなよ、宇宙人!!』
自分が言ったことも、
そいつの歪んでいく顔も、
全部見たくなくて、怖くなって、嫌になって、
俺は、逃げた。
ひろくんっ! まって、ねえ!!
ごめん……
ごめん……
ごめん、なさい
『ほら、やっぱ宇宙人じゃん!!
宇宙人! 宇宙人! 宇宙人! 宇宙人!』
ごめん……っ………橘……
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
1 / 145