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未完成な復讐
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7年経った今でも。
あの時のことは、頭から離れない。
忘れられない。
「……最低だな」
ぼーっとしていた頭と身体を覚醒させて、乱れまくったベッドから腰を上げた。
そこらへんに散らばっていた、制服をみつけて、カットシャツに腕を通し、部屋中に張り巡らせてある鏡に、今の自分の姿が写った。
首筋に赤い跡
皺くちゃなシャツ
太ももを伝う白い液体
手首にうっすらと残る紫色の手形
そして、くしゃくしゃの緋色の髪
「……本当に最低。」
鏡に写った自分を睨んだ。
日本人と違う、漆黒の髪の色とは、別のもの。
緋色の髪と、緋色の左眼。
俺は、自分の姿を棚に上げて、あいつを『宇宙人』と呼んだ。
本当は、俺こそ、『宇宙人』と呼ばれるはずなのかもしれない。
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