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未完成な復讐
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あの後、いつもよりお客さんが多くてなって、あの小動物ぽい人のとこにもオーダーしにいけなかった。
ぼーっとしていたの考え事してただけだからすいません、って言えれば良かったな…。
今日は本当にお客さんが多すぎて、足が疲れた。
店の扉に飾ってあった、「OPEN」の板を「CLOSE」に変えて、カーテンを閉めて、、椅子を全部端っこに片付けて、掃除をして、カウンター席に座って、厨房を片付ける店長と厨房スタッフを見つめた。
「あ、紘くん、全部してくれたの?」
「おやまた紘くんしてくれたんだね、ありがとうね」
俺に気づいた厨房専門スタッフで店のチーフ、明智さん。
と、最近娘が結婚して構ってくれないって言う店長の西岡さん。
2人ともまだ何か、かちゃかちゃと俺から見えないとこで手を動かしていて、「暇だったから」と答えた。
「紘くんって、暇だったからって言うけど、本当優しいよね。
私、店長に聞いたんだからね?」
ふふん、と鼻を鳴らして、得意げ顔になる明智さん。
俺は俺で、明智さんや他のスタッフには言わないでって言っておいたことを店長が、明智さんにもバラした事について、はあ。とため息がでる。
「ちょっと店長、明智さんにもバラしてるじゃん。
あれだけ言わないでって、言っておいたのに」
「おやおや、いいじゃないか。紘くん自慢を明智さんに聞かせてあげようと思っただけだよ」
「何か、孫自慢みたいな言い方になってるよ店長。
やめてよね、俺そーいうのフェアじゃないし」
相変わらず店長は何処か抜けていて、ぽやぽやしてる。俺がバラさないでって念を押しても、ほほほって親父臭い笑いで、バラしたりするし。
本当にぽやぽやしてて困ったもんだ。
「いいじゃんいいじゃん!店長も紘くんのことみんなに自慢したいお年頃なんだからさ」
「お年頃、って……」
「そうだよ、お年頃お年頃。」
「店長、明智さんのノリに乗らないで。」
やれやれ、と思いながらまたカウンター席に座りなおす。
実は俺が店閉めた後に、椅子を片付けたり、掃除するのは、机とか重いものを女の人が運んだりするの見ていて、ヒヤヒヤするから、掃除は俺がやるから、女性スタッフのみんなには厨房の軽い方の掃除やってってことを店長に話したのを、明智さん含めて、ホールスタッフの女の子2人にもバラしていて。
前にその子2人とバイトが重なった時に、「いつものお礼」とかなんとかでクッキーをもらったり、「高槻くんって優しいね」とか、「優男ー!」とかってからかわれたり大変だった。
「大体店長はぽやぽやしすぎだよ。だから娘さんが、週に1回「お父さんのことお願いいたします」って挨拶に来るんだから」
はあ。とまたため息を吐いていたら、厨房から店長と明智さんが出てきて、はい。と俺の前にお皿を出してきた。
「まあまあ。そしてこれは優しい紘くんに私特製シチューオムライスを店長の奢りでご馳走するから、機嫌直しな。」
「え、これ店長の奢りで、しかも明智さんのシチューオムライスとかってめっちゃ贅沢じゃん」
「いつも掃除してくれるお礼と、これからも宜しくって意味もあるけどね。」
と、店長はお冷を持ってきてくれて、明智さんも、隣のカウンター席に座って、「冷めない内に食べなよ」と言って。
ちょうどお腹空いていたから、「いただきます」ってかぶりつくように、がつがつとシチューオムライスを食べ始めた。
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