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未完成な復讐
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なんで、どうして、イツキちゃんのお兄さんが、橘?
でもあいつは1人っ子だって…
そもそもこんな所に橘がいるはずないのに、なんで、なんでっ。
「''紘お兄さん? どうしたの? 顔色が、''」
と、イツキちゃんが俺の名前を呼んで、心配するように駆け寄ってきて、それでも目の前の橘から目が離せなくて、怖くて、こんな汚い俺を見ていると思ったら、もう消えてしまいたくて……
「''イツキちゃんごめん、俺っ、用事があるの忘れてたから、帰るよ。
また今度な、お兄さんによろしく言っといてっ''」
口早にイツキちゃんに説明して、橘のいる方向とは逆方向の奥の道を走って逃げた。
ここの道は俺の方が詳しいから、イツキちゃんも橘も来れないだろうから、早くっ……あいつから離れないと、近くにいちゃだめだ、許されない、こんな俺が、あいつの近くにいていいわけがない、
「っ…はっ……はっ、くそ……くそっ、なんでっこんなっ!」
7年ぶりの再会なのに、怖い
ずっと会いたかったなんて言えない。
名前なんて呼んじゃいけない、あいつの綺麗な瞳に俺が写っていいわけがない
「っは、は、橘っ、橘……っごめん、っ」
何度謝っても、過去に俺があいつを傷つけたことな変わりはない
どんなに弁解したって、あいつにとっては虫のいい話になる。
そんなの嫌だ、これ以上嫌われたくない、
「ごめ、っん…橘、好きだっ、ごめん、……ごめんなさいっ」
こんな醜くて、汚い俺が、橘を好きなんて、許されない。
今の汚い俺は、あの時の俺じゃないんだから。
これは、あいつを裏切った、俺への復讐
もう、純粋なあの頃の気持ちとは言えない。
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