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未完成な復讐
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「実は……」
薫が言うには、1ヶ月前に同級生に告白されて、その時一緒にクッキーを貰ったと。
そして薫もその子のこと好きだったから付き合うことになったんたけど、今頃になってクッキーのお礼をしていないことに気が付いて、お礼をしたいけれど今更と思われるのが怖くて何も出来ずに悩んでいる、と。
「「…………」」
「あれ? めいさん? たっくん?」
理由を聞けば聞いたで、何ともまあ、
「「しょーもない。」」
「え?!」
先程までの薫のように、俺とやっちゃんは大きなため息をついた。
「そんなの薫があげたいって思うなら、あげればいいだけの話じゃない。
今は付き合ってるんでしょ? そんなクッキーのお礼、今頃くれるの?って話だけで簡単に人の気持ち変わりゃしないんだから」
「だな。 やっちゃんの言うとおり。
後悔してるんなら、やるべき。つーか、そんな遠慮しまくってたらいい関係築けねーよ?」
「めいさん……たっくん…!!」
「ま、あとは薫がどーするかだからね。」
「うんうん! ありがとう、2人とも大好き!!」
急に元気になった薫が、俺とやっちゃん目掛けて抱き付いてきて、さっきまでの辛気くさい雰囲気はどこにいったものか、と思った。
やっちゃんもやっちゃんで、やっと薫が元気になったのが嬉しいのか、「薫、苦しい!」なんてにやにやしながら言っちゃって。
ほんと、やっちゃんも俺も薫には甘いんだから。
「………ん、?」
いや、ちょっと待った。
あれ、俺、イツキちゃんと、芦屋に、お礼言ったけ?
え、つか俺なんもして、ない?
え、待った。
よく考えたら、この1ヶ月、芦屋もイツキちゃんも来てない…
ってことは俺は会ってないわけだけど…
あの手紙と、クッキーのお礼、俺、してないっ!!!!!
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