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未完成な復讐
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「………。」
学校まで鈴瀬さんに送ってもらって、今は授業中。
シャーペンをくるくると廻す。
『さよならだ、紘。』
あの時の鈴瀬さんの『さよなら』で俺たちの関係は終わった。
何だか呆気ない終わり方だな、と思ったけど、鈴瀬さんぽいなとも思った。
2年間多分今まで一番信用出来た人だった。
口下手というかポーカーフェイスだから分からない事が多かったけど、あの人なりに俺の事を気遣ってきた事は多いだろう。
俺がこんな馬鹿な人間だから、俺の知らないところであの人は沢山何かを感じてただろう。
芦屋の事も……隠し通すつもりだった。
だけどあの時の鈴瀬さんはもう気付いていたんだ。
『好きな奴がいるってわかってる奴を抱けない。』
確かにそう言ってた。
いつからバレたかはわからない。
いつからだったとしても、あまり良い気分にはなれない……
だけど……最後に言いたい事があった。
さっきまでは何も言えなかった、今ならまだ、間に合うかもしれない。
「………先生、ちょっと保健室行っていいすか?」
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