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未完成な復讐
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「あーーー疲れたーーーー」
「ですね……」
「僕も疲れました……」
俺、薫、芦屋の3人はカウンター席に座るように倒れた。
店も閉店時間を過ぎて、やっと落ち着いた。
お昼時のピークが過ぎてもお客さんは絶えなくて、薫に休憩を取ってもらってる時間なんか特にお客さんが増えて俺と芦屋は走りっぱなしだった。
俺はピークには何回も慣れてるから良かったけど、芦屋は初日でこんなに忙しくて、大変だったと思う。
それでも失敗も全然無かったから本当に助かった。
「はいはい、3人ともお疲れさん」
厨房からエプロン姿のアキさんが出てきた。
今日はアキさんもそれなりに疲れたと思うのに、ピンピンしてる。
「疲れてないんすか?」と聞くと、「おっさんの体力なめんな」と言われた。
アキさんは、二之宮 晟という本名で、ここの厨房スタッフ。
元々ヤンキーだったらしいけど、今では好青年って感じ。でもピアスは健在。
あんまりホールに出ないとはいえ、ピアスは耳だけにしてある。
前に写真見せてもらった時は、眉毛にも鼻にも、口にもしてたから、今のアキさんからしたら本当に好青年。
「そーいや新入りくん挨拶してなかったよな。
二之宮晟よろしく」
「芦屋橘です、よろしくお願いします」
「あ、わ、わたしは、相良、薫ですッよろしくお願いしゃっす……」
「……薫、緊張しすぎだって」
盛大に薫は舌を噛んで、みんな笑ってしまった。
一応芦屋も、馴染んでるから、大丈夫……かな?
何となく心配だったけど、大丈夫そう、かも。
みんな優しい人達だし、芦屋もいい奴だから、やっていけると思う。
とにかく緊張でいっぱいいっぱいだった1日が終わったのだった。
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