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未完成な復讐
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「……で、何で俺が薫の目の前に座らされてんの?」
先程の薫の悩みを聞いて、娘が大好きすぎる父親の大ダメージを受けてる俺が、何故か薫の悩みを解決できる!というやっちゃんの勝手な思い込みで、薫の目の前に座らされている。
やっちゃんもやっちゃんで大分ダメージが大きいらしく、「あとは任せた……」と机に伏せている。
「たっくん! わたしこれからどうしたらいいかなぁ」
「いや待て待て俺に答え求めるのは検討違いだって」
「え? どうして?」
「どうして、も何も俺、人と付き合ったことねーし」
「え、うそ?!」
「嘘言ってどーすんだよ……」
嘘は、言ってない。
身体の経験はあったとしても、鈴瀬さんとは付き合ってはいなかったから。
とは言え、体験はあるからどんどん聞きたまえ、なんて言える訳もない
ましてや相手は男の人、童貞非処女の俺が、薫の求める答えを出せる訳がない
「だってだって、たっくん最近綺麗になって、前よりウキウキしてて、でもたまに暗くなったり、かと思えば明るくなったり、前よりもうんと綺麗になったから……つい…」
「つい、の割には俺の事大分見てるな、薫」
「えへ。」と、少し照れたように笑う薫。
いつもはそれで許してるけど、今はだめだ。
薫の言っているような、最近の俺。
綺麗になったとかどうかはわかんないけど、ウキウキしたり、暗くなったり、明るくなったりしてる自覚は十分にある。
というかその原因が真横にいる奴だなんて、言える筈がないだろ……
「……その話詳しく聞かせて欲しいな、相良さん」
「は?! 芦屋、お前何言ってんの!!」
何思ったか、芦屋は薫の話に釘付けになった。
ていうか本人に聞かれるとか、どんな冗談だよ!!!
「あのね、芦屋くんが入るまでのたっくんは「薫っ!ケーキ奢ってやるから黙りなさい!!」
甘いもので薫を釣り、変なことを喋らないように、両手で口を塞ぐ。
甘いのが大好きな薫にとって、俺の言うことを聞かないといけないと思ったのか、「ふぁーい」ともごもごと口を動かしていた。
「あ、ちょっと紘くん、せっかくいい事聞こうと思ったのにー」
「俺の話は秘密なんだよ!!!」
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