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未完成な復讐 R15
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「僕がいつ、君のこと嫌いなんて言ったの?」
「…そんなのっ、言われなくてもわかるっ!」
「こんな事されてるのによくそんなこと言えるね。
僕が誰にでもこんな事すると思ってるの?」
「し、知らないっそんなの!
とにかく、お前は俺が嫌いで、鬱陶しいんだろ、それで終わり、解決するんだ。
それでお前と俺の関係は終わるんだ!」
「何言ってるの? 終わらせるはすがないでしょ?」
密着していた身体が離れて、また近くに橘の顔がきた。
ビクッ、って身体が震えて、怖くて目を逸らした。
けど橘は俺の両頬を掴んで無理やり自分の方に向かせて、静かに俺の唇を奪った。
「んっ、ン」
最初は触れ合う、短いキス
けど2回目は強引に唇を開けられて、舌を絡めるキス
プチュ、チュッなんて恥ずかしい音を立てて俺と、橘の舌が、厭らしく交わる。
「んん! んんーーーーっ」って言葉にならない叫びを上げて、橘の胸を叩いたり、両頬を掴んでいる腕を剥がそうしたのに、全然離してくれなくて…
暴れすぎて酸欠になりそうになって、橘も酸欠になったのか唇を離した。
「ッん、は…! な、なにす、っんん?!」
でも、また…唇を奪われた。
抗議の言葉を口にすると、すぐにまた奪われる。
暴れてみても、キスは深くなっていくだけで、俺が苦しくなる。
「んっ……っぅ…ン」
そのうち、頭がクラクラしてきて、腕にも、身体にも力が入らなくなった。
橘の腕を剥がそうとした俺の腕は、橘の服を掴んだままになって、自然と橘のキスを受け入れるようになった。
「ん…ふッ」
「ン…んん、ンァ」
飲み込めなくなった唾液が、唇の端から溢れる。
酸素が欲しくて、鼻で息をする。
そして喘いでしまう声。
気持ち良くて、胸が切ない、深くて優しいキス
舌を絡めて、食べられてしまうんじゃないかってくらいに、吸われたり、やわく噛まれたり。
その度にゾクゾクと、背中に電気が走るのを感じた。
「……っは…、…」
それから暫くして、唇が離れた。
プチュ、って音を立てて離れていった。
やっとまともに息が吸えて、肩で息をしていると、橘の右手が、俺の右手を取って、重ねられた。
「……ねえ、これでも信じてくれない?
僕はこんなに紘くんのこと大好きだってこと、わかってくれない?」
「ッ……う、嘘だっ、嘘だ」
「嘘じゃない、ずっとずっと紘くんの事が好き、大好きなんだ。
意地悪しちゃったけど、本当に僕は紘くんの事好きなんだ」
「ッぅ、うそ…嘘、だって、俺…お前のこと、!」
「裏切られたのは確かに、僕にとって一番悲しかった。
でも、それ以上に紘くんが好きだってことしか考えられなくて、裏切られたとかどうでもいいんだ。
ただ試しただけだよ」
「でも…ッでも、俺、こんな、でも!」
「紘くん。」
切なそうに呼ばないで。
そんな声で、俺を呼ばないで。
「僕の恋人になってください、好きなんだ、もうずっと。
紘くんを手に入れたくて、一番隣にいたくてずっと我慢してきたんだ、やっとここまでこれた、お願い紘くん……僕を拒絶しないで……」
今にも泣きそうな、消え入りそうな声。
橘に握られた手は若干震えて、それでも離さまいと強く握る。
こんなに弱々しい橘を見た事ない……本気なんだ、本心なんだ……本当なんだ……
「……俺……裏切った、お前を……」
「傍に居てくれるなら、そんなの関係ない」
「…普通に女の子と、付き合えなくなるぞ…」
「女の子なんて興味ない。僕が好きなのは紘くんだけ」
「俺は、汚い…汚れてるから、な……」
「これから先は僕が汚すんだから何も心配なんてないよ」
「……ッし、嫉妬、深いから……な!」
「そんなの嬉しいに決まってるじゃない」
「……ッちゃんと、面倒みろよ?!
俺の事離すな! 嫌いになるな! ずっと抱きしめてくれよ!」
「当たり前でしょ……ほら、きて」
「ッぅう〜〜〜っーーー」
「泣き虫だな〜紘くんは…」
何年振りか、声を上げて泣いた。
叶うはずがないと諦めていた初恋。
もう2度と会うことも、話すこともないと諦めていた、俺の好きな人。
それが今、目の前にいて、俺を抱きしめている。
俺よりも弱くて小さくて、頼りない子供で弟のような橘が、俺よりも強くて大きくて、頼りのある男になって俺を選んでくれた
幸せすぎる。
こんなこと、あっていいのか……本当は夢でしたなんて、ないよな……
いいんだよな、俺が橘の隣にいて。
「……ッす、好き…ぅ、おれも、大好き、橘ッ」
「っうん…ありがと、僕も大好き、紘くん」
好き、大好き。
離れないで、離さないで。
もっと強く
「…ッあり、がとぅ……」
俺と、橘は恋人になった。
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