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未完成な復讐
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「よいっ、しょ!」
ボサッ、とごみ箱に袋を捨てる。
飲食店なだけあって、まあまあのごみの量だから、袋が重い。
まあでも薫や、やっちゃんの女の子を行かせるより男の俺の方が1回で行けるから効率いいよな
ああ見えてもあの2人非力だし、何かと危なかっしいから見たてヒヤヒヤすんだよな
「さっ、戻りますか」
外にある手洗いのとこで、手を洗って、店の裏口の扉を開けると、「紘くん」と芦屋が立っていた。
突然過ぎて、びっくりして、扉を静かに閉めて、とりあえず深呼吸して、また開ける
「ちょっと何で今閉めたの紘くん!」
「いや、幻かと思って?」
「そんなわけないでしょ! 紘くん戻ってくるの待ってたの!」
「……仕事しろよ……」
「お手洗い行ってきますってちゃんと言った」
「サボるなばかっ!」
「いたい!」
わざわざ俺が外に行ったの確認して、堂々とお手洗い行ってきますなんて嘘ついて、のこのことついて来やがったて……
嬉しくない訳でもないが、仕事の時はちゃんと仕事に集中してもらいたいもんだ。
例えバイトでもそこはきっぱりと区切りを付けないといけない。
「お前ね、こんな事しなくても帰りは一緒なんだから。あと1時間半だろ?
我慢しなさい」
「やだ」
「やだって…小学生じゃないんだから…」
「帰りが一緒でも、そんなの10分、15分そこら
久しぶりに会えたのにそれだけで終わるなんて嫌。
せっかく紘くんと恋人になったのにまともに会えて、話せたのも、まだ数回だよ?
紘くんが思ってる以上に僕は、紘くんに会いたくて、話したくて、傍に居たいんだもん
サボるような事したのは本当に悪いけど、ちょっとでもいい、紘くんと居たい、それもダメなの?」
…そんな仔犬みたいにシュンってなるなよ……
俺だって久しぶりに会えたお前を見て、話したりとか、会えなかった分の時間一緒に居たいってめちゃくちゃ思ってる
けどバイトは、バイトで『仕事』ってのもある。
サボって、話したりなんて悪知恵を働かせれば俺だって出来る。出来るけど、そんな事しない。
例え恋人を優先したいって思っても、曲がったことなんてしたくないし、芦屋にもさせたくないんだ。
「……んーーーー」
どうすっかなぁ……。
芦屋の気持ちも良く分かるし、これからまたお互いの用事もあれば、学校もある訳だし……あ、そうだ
「なあ。お前土日ひま?」
「え?」
「金曜のバイト終わったら、金土日、泊まりに来る?」
「え……」
これだったら、会えなかった分も、話せなかった分も、カバー出来る。
それに一緒に居られる。
本当にそれだけ。純粋に芦屋といる時間が欲しかった。
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