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未完成な復讐
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「ん…っは……も、だめッ…」
「もうギブアップ? 僕はまだ足りないんだけど…」
「だ、だめッ、俺が、ドキドキしすぎてっ無理」
「あはは、可愛いね本当に」
長くて、深いキスは終わり。じゃないと俺の心臓持たない、ドキドキが速すぎて疲れちゃう。
唇も、なんかふやけて、全体的にふにゃふにゃになってる。
あとは完全に腰が抜けてる、というか立てない、力が入らない。
立とうとしたら、カクンっ、となって、橘の服にしがみついた。
「橘…腰、立たない…」
「キスだけで?紘くんって感じやすいんだね」
「ちがっ、お前のせいでっ!」
「はいはい。ほら、こっち手、回してベット連れてってあげるから」
小さな子供をあやすように扱われて、ちょっと、ムゥって唇を尖らせると、「キスして欲しいの?」って言われたから慌ててやめた。
そして橘の首に腕を回して、所謂お姫様抱っこをされて、寝室に運ばれる。
「はい、着いたよ」
「ちょっ俺布団で寝るって、降ろして」
「却下。認めません。紘くんはここで寝て」
「でもお前、そこ床だし、」
「いいから紘くんはそこね」
俺はベットに降ろされて、ここで寝ろと言われる。
納得いかない、つかそーゆーとこは強情だ、と思う。
「…今はここでいいの。紘くんの心の準備が出来たら、紘くんの事抱きしめて、一緒に寝よう。
それまでは僕はここでいいから、ね?」
「……ほんと? 」
「本当。紘くんに嘘は吐かないよ、約束」
「ん、約束…」
小さい頃にした指切りげんまん
この歳になってするなんて、子どもっぽい。
けど、それもいいかな……
「約束ね、絶対」
「うん…」
今度こそ、破らない約束。
それは、いつか、俺の心の準備が出来たら橘と繋がるって約束。
言葉足らずの俺たちには充分な約束。
「おやすみ紘くん」
「おやすみ…」
心も、身体も、全部、橘のものになる日がいつか、くる。
待ち遠しいような、安心できるような
でもそれまで橘が待ってくれる、隣に居てくれる
嬉しい。
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