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未完成な復讐 【修正しました】
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「お会計 1828円となります」
「……」
結局その子は閉店ギリギリまで、居座った。
そしてお会計を僕がしているがそれでも視線を外す事なく、ずっと見られている。
なんか居た堪れない気持ちになってくるな…
「ねえ、店員さん」
約2時間程、睨み続けられたお客さんがやっと口を開いた。
「何でしょうか?」と言うと、
「高槻って店員は今日はいないの?」
「…高槻さんならお休みです」
「そ。あとさ、こんだけ近くにいても気づかない??」
「はい?」
彼はカバンの中をごそごそと漁り、手渡されたのは1枚の写真。
昔僕の家族と、紘の家族で海に行った時の写真で、
5歳の僕と6歳の紘
そして…紘の隣に、手を繋いで立つもう1人男の子。
写真と、目の前にいる彼を見比べる。
幼い頃女の子と間違われる程、瞳がくりくりしていて、髪も肩まで延ばしていた。
でも今、目の前にいる彼は、あの頃よりも瞳がキリッと猫目になって、髪も地毛の緋色と、染めたであろう黒のメッシュが入った不良スタイル。
僕は、まるで気づかなかった……
10年ぶりに会う彼。
「颯太、だよね?」
「おう。久しぶり橘」
彼は名前を呼ばれて、微笑んだ。
さっきまでの仏頂面とは打って変わって、紘にそっくりな綺麗な笑顔で。
彼の名前は、高槻 颯太
紘の弟で、僕と同い年の男の子。
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