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未完成な復讐
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と思いつつ、颯太が用意してくれたフレンチトーストを食べてみる、
「おっ、美味しいっ」
「んぁ?」
「これ!めちゃくちゃ美味しいよ、颯太!」
「そうか?ふつーじゃね?」
「普通でこんなに美味しい訳ないじゃん、なにこれすっごい美味しい」
自分が作るフレンチトーストよりも、全然美味しくて驚いた。颯太的には「普通」らしいけどこんなの普通どころじゃない。
ほんっとに美味しい、パンもふかふかしてるし、何より味があっさりしてるって感じ?
フレンチトーストって砂糖を結構使うから甘々になっちゃって僕は苦手なんだけど、このフレンチトーストは甘すぎず僕にとっては最高にいい味。
「ねえこれどーやって作るの?」
「…聞いてどーすんだよ」
「僕も作ってみたいなーって。こう見えてもそこそこな料理は出来るんだよ?
ね、お願い。家族にもこのフレンチトースト食べさせてあげたいんだ」
颯太に頼み込むと、コーヒーを飲みながら考えているようで
「んーーー」と言う。
コーヒーを飲み終えて、食器をキッチンに持って行き、リュックを背負った。
教えてくれないのか…と思っていると、「今日帰ったらな」とだけ言い、リビングから出て行った。
豆五郎と2人になったリビングで、僕は再びフレンチトーストを食べる。
制服の裾を掴んでくる豆五郎を膝の上に乗せて、撫でてやると、にゃーん、と鳴いて喉をごろごろと鳴らす
「…んーーでもこれ本当に美味しいよね…」
「にゃあ」
「豆五郎はだめだよ」
僕がフレンチトーストを食べているのを、物欲しげに見る豆五郎に、「めっ」と言うと、また撫でてというくらいにすりすりとしてくる。
「あ、紘起こして熱計らなきゃ」
のんびりと朝食を食べていたが、紘の熱計って、薬も飲ませなきゃいけなかったんだ。
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