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未完成な復讐
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『そーゆーこと』を考えていても、やはり恋人の体調が第一。
くしゅん、とくしゃみをした紘に僕は急いで服を着させるモードに入った。
さすがにまた風邪をぶり返しても紘が辛いだけだろうしね…
「…腕、通すよ」
「ん、」
バンザイをした紘に、もこもこのパーカーを着せる。
見た目はイケメンお兄さんと言われる紘。
だが中身は何ともイケメンお兄さんとは程遠い趣味をした方であり、このもこもこのパーカーにはでかでかと豆五郎のような黒猫の絵が描かれていて羊のようにふわふわな生地のパーカーが大のお気に入りだ。
他にも、紘の家には黒猫グッズがそれなりにある。
マグカップを始め、時計、布団、スリッパ、極め付けは黒猫型の皿。
豆五郎を溺愛しているのは分かってはいたが、僕も最初驚いたくらいだった。
しかし、そんなギャップが可愛くて今ではそれも紘の魅力だろうと理解している。
「ん〜……もこもこだ…」
「颯太が今日洗ってくれてたからね、よかったね」
「もこもこ……」
「はいはい」
紘は、パーカーのもこもこの虜になる。
パーカーに頬をすりすりと擦り寄せて、「んーーんー」と唸っているがとても満足そう。
ギャップ萌えも中々いいな……
と、思っていると
ドンドンドンドンッ!!!!と扉が壊れるのではないかと思うくらい叩く音が聞こえ
「てめぇらいつまでイチャイチャしてんだ!ああ?!
せっかくの飯が冷えちまうだろうが!さっさと出てこいバカップルが!!」
「そ、颯太っ? え、って、ええ!?
なんでバカップルって、僕等が付き合ってって知ってるの?」
「あ、俺が付き合い始めた日に颯太に言った」
「そうなの?」
「だって隠す事でもないし、颯太だし、いいだろ?」
「いやいいけど!僕、知らなくて必死に隠してたんだけど」
「あれで隠してるつもりならお前、嘘へったくそだな、」
「颯太も知ってたんなら言ってよ」
「知るか。」
それから僕と紘、そして廊下で待っていた颯太はリビングに向かい、久しぶりに3人で食事をした。
何がともあれ、颯太にも報告(?)できた事だし、よかった、かな。
風邪で弱った紘を甘やかして、お風呂上がりの紘も見れて、僕的には満足だった。
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