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あきらが俺に近付いて来る。
だから俺は距離をとった。
するとあきらは俺に近付くのを止めた。
「あきら、今はお前と話している暇は無い」
「己等には、ある…」
「それを後にしてくれと言っているんだ」
「駄目、す」
「今、どういう状況か解っているのか?」
「……だから、己等はここに居ます」
言っている意味が解らん。
白銀の獣を使い魔として操っていないあきらは、今のこの俺達の戦いを制止させている。
「あきら」
「戦うのをやめてください」
「なに?」
「戦うのを…やめて、ください」
「一度言えば聞こえている。俺が聞いているのは、その理由だ」
「……戦う理由が無いから」
「……」
あきらの言葉に、俺は言葉を失った。
あきらは、なにを言っているんだ。
戦う理由を作ったのは向こうだ。アスマを一時期とは言え拘束し連れ去った者だぞ。
戦う理由ならそれで充分じゃないか。
「俺には少なくともある」
「匡灯さん」
俺は白銀の獣を、見据えた。
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