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「アスマの気持ちはよく判った。本人目の前にしての決断だな?」
俺はアスマの頭を撫でる。
白銀の獣をぎゅっと抱きしめるあきらが目の隅で映る。
「アスマなんで友達拒否るの?わかんないんだけど」
「うるさい!」
「えぇっ!?怒鳴られたんだけど?」
俺を見るな。
アスマが怒鳴るのも珍しいが、なにを考えているかなんて、結局解らないんだ。
アスマは、白銀の獣を抱きしめるあきらの元へと駆け寄った。
「……ア」
「あきらは友達になりたいって言ってるの?」
「…ん」
「あきらもおかしいこと言うんだね?」
「……」
あきらは泣きそうだ。
「アスマ、が嫌なら…」
「?嫌ってなにが?」
「…友達…に、なるの…」
「?」
「アスマ」
俺はアスマの考えは解らないが、あきらを泣かせるというのはどうかと思い声を掛けた。
しかし、アスマは笑顔をあきらに見せた。
「ランドウと匡灯様、あとキツネと神様に野良猫、あとはあきら!」
「?」
「ずっと居たいのが友達なら、最初から友達でしょ?違う?俺間違ってる?」
首を傾げる獅子狛犬に、俺はやっと気が付いた。
アスマの中で、これから“なる”のではなく元から“なっていた”のだ。
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