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鍋はな?作るの簡単なんだよ。
材料切って突っ込んで出汁とってあとは待つだけ。だから台所にこんな人はいらねぇんだ。
「おい慎、もっとそっち寄れってんだ、俺のシンに近づいてんじゃねぇ」
「あぁ?新こそここにいるなよ。邪魔だ」
「てめぇより料理できるわ」
「なーシン、昆布ないの、昆布。顆粒だし使うのやだよ俺」
「へぇ!万智さんって料理上手いんだな!」
もう諦めよう。つかこいつらに任せて俺は課題のレポートやってりゃいいんじゃね?そうだ、そうしよう。ってことで俺はすーっとキッチンから離れて自室に向かった。割と気づかれてないのは中々楽しい。忍者になった気分だ。
さ、て。
ノートと資料を広げパソコンを用意する。
この課題、資料の量が多い割に簡単だからできあがるまでには結構進むだろう。ドアの外から聞こえる叫び声をBGMにシャーペンを動かした。
□
「よ、し、と…」
ノートの一番最後にたどり着いて、一旦肩を回す。
するとナイスタイミングでドアがノックされた。入ってきたのは万智だ。
「お前なぁ、さらっといなくなるなよなー」
「俺がいなくても鍋くらい作れんだろ」
まぁな、と自慢気に言う。俺ができたのか否か聞くと万智は縦に頷いた。とりあえずノートを閉じてそっちに向かうとそこはかとなくいい匂いがあった。
「シン、柚子使っちまったけどいいよな?」
「いいよ、けど新、今度買ってきておけよ」
冬になったからってだした炬燵に男6人っていう絵面は中々酷い。まぁこの中に男らしい男は御幸さん以外ほぼいない、女子から見ても俺から見てもある意味楽園だな、こりゃ。俺の周りってなんでこう美形が多いんだ…
半ば不思議に思いついつ新のとなりに座る。蓋をあけると湯気が立ち上って美味しそうだ。
「じゃ、食うか」
そんで、鍋パーティーが始まった。
すぐに喧嘩も始まったのは言うまでもない。
ちなみに新と慎の、太ネギを使うか細ネギを使うかの喧嘩だ。
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