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ラブホ、じゃなかったのは少し意外。てか初めて。
男が店から2本向こうに行った大通りでタクシーをつかまえて、言った行き先はそこそこ有名なホテル。しかもホテルに着いたら着いたで上の方の部屋を取るからびっくりした。
「あんた、何モン?」
ほぼ無人のエレベーターホールでそう聞く。
「さぁな。ただの甘党の三十路だよ」
「はっ?三十路?嘘だろ」
「うん、嘘。ほんとは40代」
どーせそれも嘘だろ、と口を尖らせれば至極当たり前、という声音で肯定される。
…こいつ、徹底的に自分のことをはなさねぇつもりだな
年齢不詳・名前不明、ついでに仕事も不明。
でもヤクザじゃあなさそうだ。こんな、砂糖で出来たみたいな甘い顔した男がヤクザなわけない。もしそうだったら太平洋を泳いでアメリカに行ったっていいくらいだ。
でも、普通の仕事でもなさそう…
さて、と男はホテルのエレベーターに乗り込んでそう言った。
「そろそろ名前聞かせてもらってもいいかい。いつまでたっても君呼びじゃあ雰囲気も何もないだろう」
「それもそうだな。俺はシン。漢字は教えない。あんたは?」
「シン、か……君の場合、針という感じが合いそうだな」
「どういう意味だよ。つか、あんたの名前。こっちもずっとあんた呼びじゃ疲れんだよ」
「俺?そうだな……マコト、というのはどうだ」
どうだって………
やっぱこいつ、変な奴だ。イケメンなのにもったいない。
「別に、いいんじゃねぇの。お前が気に入っ」
「マコトだ、シン」
そう、俺の言葉を遮って、おと……マコトは俺の首筋に顔を埋めた。そしてわざとなのかそうじゃないのか、音を立てて下から上へとなめあげる。思わずぞくり、として上ずった声が出そうになるのを必死で抑えた。
「シン、俺の名前はマコトだ……それ以外で俺を呼ぶな」
「……っぁ!」
ちゅ、と一瞬強く吸われたのとほぼ同時にエレベーターは目的の階に着く。マコトはさっさと降りてぼぉっとしてる俺を手招きする。
〜〜っ!なんなんだよこいつ!!!!!
俺は首元を押さえてエレベーターを荒く降りると、待てないと言わんばかりにそいつの首にかじりついた。
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