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なんだかなぁ。とりあえずいろいろすげぇ。
そう内心で思う。スマホをわざわざ立ち上がってアラタんとこに行き返してやった。近くによると項にある印を見つけた。
…こいつ、また食い散らかしたな
パシンっ、と音を立ててぶっ叩いてやると、ものすごい目を向けられる。
「いってぇな。いきなりなんだよ!そんなにミルクティ大事だったか!?」
「ちげぇよ。キスマーク。超見える、そんなに殺されたい?」
「あー、マジか…付けんなつったのに…てかお前なに、嫉妬してんの?」
「は?バカじゃねぇの?なんでいまさ」
「俺は結構嫉妬するけどなぁ…お前が俺以外の人間の匂いつけてんのは」
視界が急速に動いた。それはアラタが俺の腕を引っ張ったからで、俺はアラタの腕の中にいてその顔を見上げる形になっていた。
意外と力の強いアラタは、そのまま俺を膝の上まで引き上げる。そういやこいつこの体勢好きだったよな、と思考の片隅でそう思う。けれど冷めた体はそれに反応を示さなかった。
「俺の可愛い辰綺、いつになったら俺の名前呼んでくれんの?」
「俺は誰のもんでもねぇよ。あと、俺は一生お前の名前を呼ばない」
「なんで。俺はお前の名前を呼んでやってんのに」
「だからなんだ。そんなこと、関係ない」
次は見下ろす形になっていて、もっと間近でアラタの疲労を見ることになった。仕方ない、と俺は黒縁眼鏡を外してその目の下にキスを落とす。
「今はこれで勘弁。昨日の今日で疲れる」
「それもそうだな。でもすげぇ久しぶりだな?俺達は」
うん、と小さく頷いて首に手を回す。すんと鼻を動かせばアラタの匂いがした。
お互い、セックスなんて飽きるほどやってんのに。
俺達が交わることなんてここ数年滅多ない。
理由は覚えてる。けどきっとアラタは覚えてない。そういう人間だ、アラタは。それが少し悲しくて、俺は紛らわすように首に顔を沈めた。
優しく頭を撫でてくれた手は、いつかの手よりは暖かった。
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