アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
2-5
-
□□
「こんのクソ野郎……一体なんのようだ」
『いや?俺の知り合いに貴式(たかしき)という名字の人間は1人しかいないものでね』
「せっかくのイイトコ邪魔してくんじゃねぇよ。この色魔」
電話口から「それは悪かった」という声がした。忌々しい声だ。きっとあの形のいい唇を歪めて片手にコーヒー、そんで場所はきっとスタバ。
こいつはそういう奴。
何をしても格好がつく。maima○やっててもきっとカッコイイんだろうな、くそ、俺が手袋してやってたらただのオタクだっつーのによ。かなしいかな。
そう、こいつ、椎名慎(しいなまこと)は俺の幼馴染でありクソムカつくクソイケメン野郎、そんでもってクソ野郎。
ついでに言っとくと、さっき辰綺に見せた写真の男。
「んで?何の用だよ」
『いや、君のところにシン、っていう子がいないかなって』
「シン?いねぇぞ?ンな奴。なんでだ」
『あれ、いないのか…いや、何。俺の知り合いにシンっていう子がいてね、その子が貴式教授っていう連絡先を持ってたものだから』
「はーん、そういうこと。だけど俺の覚えてる限りじゃいねぇなぁ。教授ってついてるっつーことは100パー俺だろうし」
『そ、だから連絡したってわけ。なんだ、いないのか』
いねぇよ、ともう一度言えばそっか、と半ば残念そうな声が聞こえた。俺はそれよりと切り出し、コーヒーが入ったカップを片手に持った。
「あのバーに行ったって、ほんとかよ。有に聞いて俺かなりビビったんだけど?」
『ほんとだよ、ほんと。有に聞けばちょっとは情報集まるかなーって思ったんだけど、そっか。最初に新に聞けばよかったね』
「黙っとけ。ま、確かに有に聞くのは得策だわな」
有は俺たちのもう1人の幼馴染。これがまた可愛いのに全く女子じゃないっていう。パズドラやってるわモンストやってるわモバストやってるわ、さらにはサバゲーのサークルにまで入ってるわで。ツムツムやってないし。
あと言葉遣い超女子じゃない。
クソ野郎、黙れ、カス、死ね、ぶっ殺す、等々。
これくらいじゃまだ優しい方だ。かなり優しい。あいつの毒のオンパレードはあたりが闇と化すからマジでやめてほしい。
そんな有は情報通で、大抵のことは知ってる。それこそいくつものバーを渡り歩くからそっちの情報もかなりある。
『まぁそのシンもそのバーであったんだけど』
「へ?そうなのか?」
『そうだよ。かなり綺麗な子でね。久しぶりにおじさん頑張った』
「おいおい下手な冗談よせ。お前、俺たちん中じゃ唯一ノーマルだったろ。つか、は?シンって男だろ、名前的に」
『当たり前じゃん。まぁシンっていう女の子もいそうだけど。でも俺があったシンは男。ほぼ初めてだったけど存外男もいいもんだね』
おいおいおいおい、俺の幼馴染はなに言っちゃってるか、わかってんの?
『仕事があったから俺だけ先に帰っちゃったんだよねぇ…連絡先置いてくればよかった。俺にしてはかなりの大失態』
「珍し……つか、マジでヤッたのかよ」
『悪い?俺だって綺麗な子に誘われればヤるよ』
「あ、っそ……」
幼馴染の以外な行動は、俺の思考をぴったりと停止させた。ちなみに、次の言葉でかなり崩壊した。
『本当に知らない?金髪の、目が碧い子。多分日本人だとは思うんだけどさ?あぁ、あと、足首に龍の刺青してる』
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
14 / 85