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「あっち!!」
なんだ、これ、爆弾かよ!!!
「ったく、ここに書いてあんだろーが、一気に食うなって。馬鹿か、馬鹿なのか」
「ほぇでもたへたいやんっ」
「…なんて言ってるかわかんねぇーよ、ほれ、水」
王府井(ワンフーチン)という店の2階。1階で買った小籠包を食べることのできるスペースで、俺はその小籠包と格闘していた。
なんでかっていうと、中の肉汁が口の中で爆発したからだ。
しかも運がいいことに焼きたてを手に入れることができたものだから、あっついの何のって。美味いんだけど美味さが微妙に伝わらない。
ちなみに食べてるのはニラ小籠包だ。ニラの風味とシャキシャキ感がナイス。
「いやー、にしても美味いなぁ。何、こっちの、普通のもすげぇぞ」
「しょうが利いてるしなー。買って帰る?」
「いやぁここに来て食うのが美味いんじゃね?てかそのニラんの頂戴。この黄色の、フカヒレ?のやつあげるからよ」
「えぇー、ヤダ。俺好きだもんコレ」
「そこをなんとかさぁ。俺だって好きだもん、ね、お願い」
な?とちょっと首を傾けるのはずるいと思う。顔が整ってるだけに、歳がいってようが関係ない。
…かわいー……
そんであげちゃう俺も俺だけど…
俺は渋々ニラ小籠包を新の皿に入れてやった。すると、ありがとぉ、とめっちゃ嬉しそうな顔して俺の皿にフカヒレんのを入れる。
…よっぽど気に入ったな、こりゃ
こいつが何か嬉しそうな顔してるのを見るのは、嫌いじゃない。まるでガキみたいにはしゃぐから見てて面白いし。
「なぁ、この後どうする?」
新を見ていると、不意にそう聞かれる。俺はそうだなぁ、と
「大さん橋?とか。あそこ海風気持ちいいし。そうだなぁ、あとは…山手の方の洋館とか行ってみたいなー」
「おいおいどっちもパッとしねぇな。じゃあ大さん橋行こう、あとカップラーメンミュージアム。山手は明日でいいだろ」
「え、泊まるのか」
「おうそのつもりだぜ。もう宿取ったし」
用意周到だな…さすが。
じゃあまぁ、この後行くのは大さん橋とカップラーメンミュージアムで。大さん橋は1回行ってみたかったんだよなぁ。
てことで、もうちょっと中華街を散策する。肉まんも買って食べ歩き、小物屋に入って長門に土産を買っていく。
いろいろ見て買って、久しぶりに結構笑った。
あ、それこそ久しぶりに、新がフツーに笑ってるの見たかも。まぁ楽しいんならそれでいいか。
「あーらた」
呼びかければすぐに反応した。あー?と俺を見る。
「ありがと、またこよーぜ」
「…黙ってろ」
素っ気なくそっぽを向いた新の顔は、真っ赤だった。それをからかうと殴られて、「明日飯抜き」と言われた。
それは理不尽だろ!!!!
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