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1人の女インタビュアと、珍しいことにカメラマンは女で、そこそこ広い空間に男3人と女2人がいた。俺は4人から少し離れたところに座っていて、インタビューされている状況を眺めていた。
…イケメンばっか。
きっとこのインタビューの担当、倍率高かったんだろうなぁ。女子の熾烈な戦いが繰り広げられたんだろう。
だってさ、こんなイケメン&人気&高収入のハイスペ物件をほっとかないじゃん、普通に考えて。現に2人ともめっちゃ笑顔でめっちゃ嬉しそうだもん。
きっとこのインタビューやらなんやらが終わると猫撫声で「一緒にご飯いきません?」とか「連絡先聞いてもいいですか?」とか言うんだろ。
でも残念、その内1人はガチゲイで、1人は男を抱けるようになちゃったオトコ。
で、その相手が俺。
…カオス…
カオスにもほどがあんだろってくらい。
とにかく、俺はそんなカオスな状況でスマホをいじり、2人の声を聞いていた。これが俺の名前を呼んで、溶けてんだと思うとちょっと優越感に浸れた。
□□□□
「よ、待たせたな。腹減ったろ。昼飯食いに行こうぜ」
「ん…なんだ、休憩?」
「いや、もう終わり。もしお前がこの会社見学したいなら見学してもいいってよ。どうする?」
「マジでっ!?するする!!!」
予想外の新の言葉に、俺は椅子から飛び上がった。びっくりした…俺ずっとこの会社見学してみたかったから…
まぁ新が『雨宮蒼生』と”幼馴染”っていうのもあるんだろうけど。
その当の雨宮先生は新の後ろでぼぉっと立っていた。新が呼びかけてやっと反応するくらい。まださっきのが聞いてるのか?メンタル弱いんだな、マコトって。
俺たちは一旦ビルの外に出て、近くのレストランに入った。レストランって言っても仰々しいやつじゃなくて、個人経営のまったりしてるやつ。バベットステーキが美味しいらしい。
「そーだ、辰綺、社内見学慎に案内してもらえば?」
木の細微な彫刻のされてる洒落た椅子に座るや否や、新はそう切り出してきた。俺は別にいいけど、と答える。マコトはまたびっくりしていて、しどろもどろに答えた。
「いい、けど…俺でいいの?」
「別にいいに決まってるだろ?俺の幼馴染だし辰綺は俺の息子だし。問題ねぇって」
…追い討ちかけるのやめてやれよな…
いささか、マコトが可哀想に思えてきた俺だった。
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